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2017年8月3日(木)

再生エネ買取改定 国の計画書提出要求

「通知が届かない」 「認定取り消し」に不安の声

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 再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の改定に伴い、経済産業省は旧制度の下で認定を受けた人に対し、新しい発電事業計画書を4月1日から9月30日までに提出するよう求めています。提出について経産省は「はがきかメールで周知している」としていますが、一部の人からは、通知が届いていないとの声があがっています。

 (岡本あゆ)


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(写真)事業計画書提出を知らせるはがき

 事業計画とは、電力会社との連携や発電設備の維持管理などについて記載するもの。2016年度までに認定を受けた人が対象で、すでに売電をしている人や、家庭などで10キロワット未満の太陽光発電をしている人も含まれます。経産省は、提出しない場合、認定取り消しの対象となる可能性もあるとしています。

案内で知って

 京都府城陽市の自宅に太陽光パネルを設けている濱田あつ子さんは、「経産省からの通知はありませんでした。7月に、市民団体が出している案内で初めて知りました」と話します。近隣で太陽光発電をする知人2人も通知を受け取っておらず、提出について知らなかったといいます。

 「パネルを設置した業者に問い合わせたところ、『知らなかった、分かったら連絡する』と。その後、7月8日に業者から案内が届きました。提出は4月に始まっているのにどういうことなのか。知らない人が切り捨てられてしまうのでは」と不安を語ります。

 「経産省からの通知がなかったという声は聞きます」と話すのは、太陽光発電の普及に取り組む東京都小平市のNPO、こだいらソーラー代表を務める都甲公子さんです。

 「市民団体や設置業者が案内を送るなどのフォローをしています。ただ業者の対応は各社で異なるため、周知がまちまちになってしまっている。私たちも勉強会を開きたいのですが、経産省は『対応に忙しく、職員は派遣できない』と。市民団体がフォローの役割を担っている以上、せめて団体への説明は行ってほしいのですが…」と都甲さん。

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(写真)NPO法人こだいらソーラーが運営する市民発電所・第1号機=東京都小平市

混乱招く対応

 自然エネルギー市民の会代表で、再生可能エネルギーに詳しい和田武・和歌山大学客員教授は、「FIT改正によって、発電設備の周りにフェンスを設けることなど、制度開始時にはなかった条件が課されました。本来初めから義務づけているべきだったことを、後から言いだしたこと自体が混乱を招いているのでは」と指摘。

 「通知が来なかったなどの理由で事業計画書を提出できなかった場合、設置者の落ち度とは言えない。経産省はそれを踏まえて対応すべき」と話しました。


 再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT) 太陽光、風力、小水力、地熱、バイオマスで発電した電気を、電気事業者が一定期間、国が定める価格で買い取ることを義務づける制度。再生可能エネルギーの促進を目的に、2012年に制定。


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