2017年7月20日(木)
九州北部豪雨災害による被災者支援等に対する緊急申し入れ(全文)
日本共産党国会議員団が19日に松本純防災担当相に行った「2017年7月九州北部豪雨災害による被災者支援等に対する緊急申し入れ」の全文は次の通りです。
7月5日から6日にかけて福岡県朝倉市、大分県日田市、島根県浜田市などで最大24時間降水量が統計開始以来の1位の値を更新する記録的大雨となった。この大雨により、至るところで山が崩れ、大量の土砂と流木が発生し、河川の氾濫、洪水被害が拡大し、家屋や道路などに深刻な被害をもたらした。18日現在避難所で把握されているだけで800名を大きく超える住民が避難生活を強いられており、なお7名の住民と連絡を取ることができていない状況である。
日本共産党国会議員団は6日、災害対策本部(本部長=小池晃書記局長・参議院議員)を設置し、被災地の党支部や地方議員などと連携して現地に入り、被災された方々への激励や要望の聞き取りをかさねてきた。
被災者の生活・生業(なりわい)の再建、地域の再建をすすめるうえで、当面不可欠な以下の事項について、すみやかに実現することを求める。
1 行方不明者の捜索に全力を尽くすこと。
2 指定避難所に限らず避難生活の環境整備については、内閣府通知の具体的内容を被災者を含めて周知徹底させるとともに、現場の状況に応じてきめ細かくおこなうこと。
また、敷地内に流れ込んだ大量の土砂や流木は、災害救助の対象とできることなど、災害救助法による救助の種類や期間、特別基準の設定などを被災者・被災自治体に周知徹底し、災害救助法を全面的に活用すること。
3 着の身着のままで避難した被災者が自宅等の様子を確認できるよう、生活道路や迂回(うかい)路の確保を図ること。
4 住家の被害については、外見による認定だけでなく、被災者の訴えを反映した住まいとしての機能に着目した認定をおこなうこと。被災者生活再建支援法については、支給限度額を少なくとも500万円に引き上げるとともに半壊や一部損壊にも対象を拡大すること。
5 応急仮設住宅については、被災前のコミュニティーを配慮すること。その際、敷地内への建設を含めた木造仮設住宅の建設を、地域や被災者の実情に即した規模や戸数に応じて積極的にすすめること。
6 被災状況の把握を急ぎ、地域の主要産業である柿やネギをはじめとした農家の再建・営農対策に万全を期すとともに、取水堰(口)、用水路の応急復旧をすすめ水田や農地への配水を確保すること。復旧事業の要件を実情に即して緩和するなど、農地の早期復旧をはかること。
流木などによる漁業被害の把握と早期復旧を図ること。
また、地域社会の住民の暮らしと雇用を支える基盤ともいえる中小企業・小規模事業者の事業・生業の継続と再建に万全を期すため、事業に必要な設備等に対する直接支援を含めた支援を早急におこなうこと。
7 被災地域に多く残され、また筑後川本流ばかりでなく有明海や大分県沿岸の大量の流木やがれきの処理を急ぐこと。そのためにも関係自治体等に対する財政支援を強めること。
8 壊した裏山等の安全性について専門家の協力も得、二次災害による被害の拡大を防ぐとともに、必要ながけ対策事業の要件を緩和するなど、安全対策に対する支援をおこなうこと。
9 橋梁(きょうりょう)流失等で寸断されたJR久大線や日田彦山線の早期復旧は地域の復興に不可欠であり、JR九州まかせにするのではなく、公共交通機関として国が責任をもって地域鉄道路線の確保を図ること。
10 被災した河川や橋梁、道路、砂防施設等の復旧にあたっては、同じ災害を繰り返すことのないよう、地域住民の要望をふまえた改良復旧を基本とすること。
11 激甚災害指定を急ぐとともに、被災自治体がおこなう被災者支援等に対する財政支援をおこなうこと。また、被災自治体が必要とする住宅の被害認定や水道復旧などの復旧事業に係る職員の確保については、広域的な派遣を含めて万全を期すこと。