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2017年7月3日(月)

高江 米軍オスプレイパッド 「完成」いいながら工事再開

手抜き露呈 住民のたたかい続く

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 安倍政権が米軍北部訓練場(沖縄県国頭村、東村)の一部返還につながったと強調する東村高江周辺への米軍オスプレイパッド(着陸帯)建設。日米両政府は「完成」を確認したとしていますが、防衛省沖縄防衛局は国の天然記念物ノグチゲラの営巣期間(3〜6月)が終了した1日、工事を再開しました。


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 安倍政権が「基地負担の軽減」を誇って昨年12月22日に開催した返還式典から半年がたってもなお、米軍の着陸帯使用には至っていません。住民らは工事中止と着陸帯の運用中止を求め、粘り強くたたかい続けています。

●自然を戻せ

 5月22日に東村議会で着陸帯を視察した日本共産党の伊佐真次村議は、大量の砂利があちこちに積まれていたといい、「完了のめども立っていないのではないか。実際は米軍が運用できないような手抜き工事だったのではないか」と指摘します。

 水漏れによる法面(のりめん)の変形や張り芝の根崩れなども指摘されており、土木技術者は「安倍政権から工期を急がされたことで、ずさんな工事が行われている」といいます。

 工事の状況について沖縄防衛局は取材に対し、「継続的な運用を可能とするための補強工事は引き続き行う」としています。

 6月14日には大雨で、高江区の海に赤土が流出しました。防衛局は「H地区着陸帯付近の資材置き場から10立方メートル程度の土砂が流出した」として、中嶋浩一郎局長が高江区を訪れ謝罪しました。

 高江在住の清水暁さん(46)は「赤土流出の対策をしっかりしていなかった。工事自体が自然をめちゃめちゃにしてしまっている。国は工事を止め、元に戻す責任がある」と憤ります。

●騒音の被害

 オスプレイパッドは、高江集落を取り囲むように六つが新設されています。すでに運用されている二つの着陸帯(N4)でオスプレイが夜間訓練を繰り返し、住民は騒音で苦しめられています。

 高江区の仲嶺久美子区長は「昨年12月のオスプレイ墜落事故後、区民が不安がっている。新しい着陸帯でどんな運用の仕方がされるのかをみんな気にしている」と話します。

 夜間訓練も午後11時まで行われることがよくあり、例年の3倍ほど訓練が行われているといいます。仲嶺区長は「どれも使ってほしくないが、まず民家に近いN4の使用を中止してほしい」と訴えます。

 「ヘリパッドいらない住民の会」の宮城勝己さん(64)は、安倍首相が6月23日の沖縄全戦没者追悼式で、北部訓練場の一部返還を強調し、「負担軽減」をアピールしたことに怒りをあらわにします。「住民を苦しめて何が整理縮小か。負担増でしかない。返還というなら北部訓練場すべてを返還するべきだ」

写真

(写真)機動隊員に強制排除されながらも、オスプレイパッド工事再開に抗議する人たち=1日、沖縄県東村高江

●あきらめず

 2007年から始まった高江の座り込みは10年となりました。たたかいは広がり、1日の工事再開時にも、各地から多くの人が駆け付け抗議しました。

 東京都から来た鈴木遥宙さん(33)は、近所で上映されたドキュメンタリー映画「いのちの森高江」を見て衝撃を受け、沖縄に行こうと決めました。「豊かな自然を基地で壊してしまうのが悲しい。座り込みと抗議行動が続いていることに、あきらめないと勇気をもらった。戻ったら家族、友人に話して、少しでも関心をもってもらいたい」と話します。

 伊佐村議は「これまで通り座り込み、監視活動を続けて全国に発信していく。着陸帯は造らせないし、運用さない」と強調。「オスプレイは全国展開し、黙っていたら各地で飛び回ります。全国と連帯し、各地で配備を許さないたたかいを広げていきたい」と話します。(柳沢哲哉)


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