2017年6月30日(金)
辺野古護岸工事2カ月 続く砕石投下 ダンプ100台
県民「政権倒し新基地止める」
安倍政権が沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で護岸工事に着手してから2カ月が経過しました。県民はあきらめることなく「安倍政権を倒し、辺野古新基地を止めよう」と、意気高く不屈のたたかいを続けています。
(柳沢哲哉)
|
埋め立て予定地北側の「K9護岸」工事では、ダンプで運んだ砕石の海中投下が続いており、全長約320メートルのうち、100メートル近くまで延びています。26日からは西側の「K1護岸」(217メートル)建設に向けた資材搬入用の道路建設も始まりました。
砕石を積んだダンプの搬入も急激に増え、5月末から1日100台がキャンプ・シュワブゲートに入っています。最大180台が入った日もあると言います。ダンプを入れるためにゲート前での座り込みを強制排除する機動隊も「逮捕するぞ」と脅すなど乱暴さが増しています。
28日、太陽が照りつける厳しい暑さの中、シュワブゲート前には約150人が座り込み、安倍政権への怒りの声が相次ぎました。
うるま市の男性(75)は安倍政権の強権ぶりに憤り、「森友・加計学園問題など、やりたい放題で国政を私物化した上に憲法9条改悪。こんなでたらめな政権を倒し、全力で工事を止めたい」と語りました。
|
「オール沖縄団結で、われわれが勝つ」
ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は辺野古の工事を所掌する稲田朋美防衛相が自衛隊を選挙動員する発言を行ったことに強い憤りを示しました。「公選法違反、自衛隊法違反だ。南スーダンPKOの『日報』問題でも何も答弁できない。それでも、安倍首相は自分の言うことを聞く大臣しか置かない。まさにファシズムだ」
3年前にゲート前で座り込みが始まったときから通い続ける本部町の崎浜秀晴さん(75)は、サイパンで生まれ、戦争で兄弟2人を亡くしました。戦争のために沖縄が犠牲になることが許せません。「安倍政権には心がない。そんな人たちが日本を牛耳っていることが歯がゆい」
安倍政権は県民世論を無視して工事を強行しますが、専門家は「K9護岸」について、「ここから沖合に向かうにつれ水深がどんどん深くなり、施工の手間が相当かかる」と指摘します。
28日、翁長雄志知事は県議会で、辺野古工事差し止め訴訟を提起する議案が可決されればただちに裁判を起こし「県の正当性を主張する」と強調しました。政府は県からの岩礁破砕許可を得ないまま工事を進めており、違法工事そのものです。
安次富さんは裁判闘争への支援を呼びかけ、「オール沖縄の団結を大事にし、希望を持とう。あきらめなければわれわれが勝つ」と力を込めました。