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2017年6月28日(水)

獣医学部新設「全国展開」発言

安倍首相のご都合主義 加計隠し破綻

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 「速やかに全国展開を目指したい。地域に関係なく、2校でも3校でも、意欲のあるところにはどんどん獣医学部の新設を認めていく」―。学校法人「加計学園」の獣医学部新設の疑惑をめぐって安倍晋三首相の口から飛びだした驚がく発言は、自らの「腹心の友」に便宜を図ったという追及に追い詰められ、説明不能に陥った姿をあらわにしました。

 首相は24日の神戸市での講演で、国家戦略特区での獣医学部新設を愛媛県今治市での加計学園1校に絞ったことで疑念を招いたとし、今後はどんどん認めていくと述べました。50年以上新設されなかった獣医学部であっても、自分がその気になればいくらでも新設できるといわんばかり。これまで「個別の選定に私の影響力を行使する余地は全くない」と関与を否定してきたのに、一転、最高権力者の力を誇示するかのようです。

 首相は講演で「規制改革は行政をゆがめるのではなく、ゆがんだ行政を正すもの。岩盤規制改革をスピード感をもって進める」「目指すところはあくまでも全国展開」とも開き直りました。加計学園専用の穴を広げ、疑惑をごまかす狙いです。

 従来の政府答弁とも矛盾しています。戦略特区は、特定の地域で規制緩和の“実験”をし、それを全国に広げる立て付けです。農水省や獣医師会が「獣医師数は足りている」と主張するもと、戦略特区による獣医学部新設には、創薬など生命科学分野などでの獣医師需要が明らかになることや、既存の獣医学部では対応が困難であることなど、「4条件」が付されました。

 政府は獣医師会の慎重姿勢を理由に新設を1校に絞り、さらに国家戦略特区諮問会議は「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り」と対象地域を限定しました。

 だからこそ、首相も「まずは風穴を開け、全国展開していきたい」「最初から2校、3校というわけにはいかない」と述べ、四国に獣医学部が存在しないことを加計学園選定の理由としてきたのです。「4条件」についても「(諮問会議分科会の)専門家の目で見て、ちゃんと合っていると判断している」と答弁してきました。

 「地域に関係なく、2校でも3校でも、どんどん認めていく」という首相の発言は、従来の政府見解すら覆す乱暴な議論で、さらなる批判は必至です。(佐久間亮)


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