「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2017年6月17日(土)

主張

「加計」追加調査

文書はあった、疑惑は深まった

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 国民の多数が反対する「共謀罪」法案は審議を打ち切って採決を強行しながら、疑惑の渦中「加計学園」の獣医学部開設をめぐり「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向」などと書かれた文書は、真剣に調べもしなければ経過も明らかにしない―まさに文部科学省や内閣府の「追加調査」は疑惑隠し、国民無視の極みというしかありません。文科省は文書の存在を認めたものの、だれが何のために作成したのか明らかにしません。内閣府は「総理の意向」などと発言した職員の存在を否定しました。文字通り政治をゆがめた疑惑であり、徹底調査が不可欠です。

「総理のご意向」と明記

 問題になった文書は、先月半ば以降の報道などで明らかになったもので、「加計学園」が愛媛県今治市に開設を予定している獣医学部について、設置は「総理のご意向」だとか、来年開校は「官邸の最高レベルが言っている」と内閣府が文科省に伝えたと書かれていました。「加計学園」の理事長と親しい安倍晋三首相の関与が疑われたのは当然です。

 ところが菅義偉官房長官は即座に「出所不明」「怪文書」などと否定。松野博一文科相もわずか半日ほどの調査で「文書は確認できない」と発表しました。国民から批判が沸き上がったのは当然です。

 決定的だったのは、文書が作成された昨年9月から10月にかけ、文科省官僚トップの事務次官だった前川喜平氏が文書は省内で作られたもので「本物だ」と証言したことです。これを機に文科省の官僚などによる証言が相次ぎ、文書が文科省内で「共有」されていたことを示すメールなどが相次いで明らかになっています。

 追い詰められた安倍首相は先週、「再調査」を指示、松野文科相はあくまでも「追加調査」だと言い張り、調査対象も期限も明らかにしないまま着手し、1週間もかかって、「共謀罪」法案を採決した後になってようやく「結果」なるものを発表したのです。まさに言語道断です。「追加調査」で文書の存在が明らかになったのは、一連の否定発言が国民を欺くものだったことを浮き彫りにしています。

 「追加調査」は、「総理のご意向」などと書かれた文書があり、内閣府側からそう言われたと証言した職員がいたことをしぶしぶ認めたものの、詳細は明らかにしません。文科省の調査を受け慌てて行った内閣府の「追加調査」は、たった一晩調べただけで、「総理のご意向」などという言葉を文科省に伝えた職員の存在を否定するという不誠実この上ないものです。文科省の調査では、獣医学部の開設を「加計学園」に絞るために萩生田光一官房副長官が「広域的に」獣医学部が存在しない地域に限ると書き込ませたといわれるのに、萩生田氏は否定しています。解明すべき課題は山積です。

首相関与示す多くの証拠

 「加計学園」の獣医学部開設をめぐり首相とその周辺がかかわった疑惑は、当該文書にとどまりません。文書作成とほぼ同じ時期、首相側近の和泉洋人補佐官や木曽功内閣官房参与が前川氏に手続きを早めるよう働きかけています。今治市への獣医学部開設自体「加計学園ありき」で進められました。

 国政をゆがめた疑惑の幕引きを許さず、首相に説明責任を果たさせ、国会での徹底究明が重要です。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって