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2017年5月1日(月)

職場復帰の画期的勝利

JMITU日本IBM支部

巨大企業の横暴はね返す

きょうメーデー

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 JMITU(日本金属製造情報通信労働組合)日本IBM支部は、労働者に一方的に解雇を通告して会社から閉め出す「ロックアウト解雇」とたたかい、解雇撤回・職場復帰の画期的和解を勝ち取りました。「青い巨人」の異名をとる巨大多国籍企業に根を張る同支部の青い横断幕が、中央メーデー会場に力強くひるがえります。(田代正則)


写真

(写真)ロックアウト解雇撤回・職場復帰を勝ち取ったJMITU日本IBM支部の組合員たち

 「娘に父親が働いている姿を見せたい」。解雇撤回裁判第3次原告でソフトウエア開発技術者の男性(56)は、この一念でたたかい続けました。解雇当時、小学4年の娘の習いごとのピアノも学習塾も中止。「パパ、アルバイトしたい」と言われ、身を切られる思いでしたが、願いがかないました。

 男性は、情報処理技術者の最難関の国家試験といわれる「システム監査技術者試験」や「情報セキュリティスペシャリスト試験」に合格し、評価されていました。ところが終業間際、労働者を会議室に呼び出し、解雇を通告。理由は「業績不良」の一言だけ。私物をまとめさせられ、通行証も奪われ、同僚へのあいさつすらさせずに追い出されました。

 同社は社長がかつて「リストラの毒味役」を自任。米国流「解雇自由」を持ち込もうとした極めつけがロックアウト解雇でした。実態は会社都合の解雇にもかかわらず、労働者に役立たずの汚名を着せて解雇規制を逃れる脱法的やり方でした。

 組合員11人が解雇無効を求め、5回に分かれて東京地裁に提訴。第1、2次の5人は2016年3月、第4次の1人は今年3月、解雇無効の判決を勝ち取りました。4月25日、第3次の4人について解雇撤回し、2人が職場復帰で和解。復職しない2人には解決金が支払われます。

 大企業を相手に、解雇撤回にとどまらず、職場復帰させたのは画期的勝利です。

労組の枠超え たたかい

 日本IBMのロックアウト解雇を撤回させ、職場復帰する男性は、「1人ではたたかえなかった。労働組合の仲間がいたからです。今度は、私が組合の立場で労働者を助けたい」と話します。職場に戻る日を信じ、IT産業の新技術の勉強を続けてきました。

 大企業の無法なリストラに対し、労働組合の枠を超えてたたかいが広がり、画期的和解につながりました。

 和解が決まった第3次以外の訴訟でも和解協議が行われており、組合は一括解決を求めています。

 会社の恣意(しい)的な相対評価による一方的な賃金減額の撤回を求める裁判も、第1次訴訟は会社が請求を全面的に受け入れ勝利。第2次訴訟も和解協議が行われており、全面解決まであとひと押しです。

 安倍政権は、不当解雇解雇でもカネさえ払えば自由に解雇できる「解雇の金銭解決制度」導入を狙っています。「働き方改革実行計画」では、人材ビジネス会社を利用した大企業のリストラ支援が盛り込まれています。

 今回の解雇撤回・職場復帰は、こうした政府の攻撃をはねのけ、安心して働ける雇用制度を確立していく力ともなります。

 JMITU日本IBM支部の大岡義久委員長は強調します。「ロックアウト解雇事件でも、多くの支援を受けて道を切り開くことができました。労働者が労働組合に結集してたたかえば、人間らしく働ける社会へ、大きな流れをつくることができます」


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