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2017年3月24日(金)

主張

籠池氏の証人喚問

指摘された疑惑 首相ら応えよ

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 大幅に値引きされた破格の価格で国有地の払い下げを受け、大阪府からも異例な形で開設の「認可適当」とされていた学校法人「森友学園」の小学校建設をめぐる疑惑について、衆参予算委員会で行われた籠池泰典理事長への証人喚問は、冒頭から驚きに満ちたものでした。証言では安倍晋三首相や妻の昭恵氏、大阪府の松井一郎知事などの名前が繰り返し登場し、財務省理財局の国有地払い下げや大阪府の「認可」決定に政治家の関与が「あったのだろう」と発言したのです。国民の財産をめぐる疑惑です。指摘された疑惑に、関係者は応える責任があります。

一層深まる「政治家関与」

 籠池氏の証人喚問は、小学校建設地などへの参院予算委員会による現地調査の際、籠池氏が昭恵氏の講演の時、安倍首相からとして「100万円の寄付があった」と発言し、自民党などが「首相に対する侮辱だ」と主張して喚問を求めたものです。もともと「森友」疑惑をめぐっては、これまでの国会質問でも日本共産党などが籠池氏や財務省関係者などの喚問や招致を求めていたのに、自民党がそれは拒否して、籠池氏だけを喚問すると言い出したのは筋が通りません。籠池氏の証人喚問は解明の第一歩であり、引き続き関係者の証言が不可欠です。

 籠池氏は参院予算委での冒頭の発言などで、安倍首相や昭恵氏が「森友学園」の教育に理解を示していたことや、小学校は当初「安倍晋三記念小学校」と名付けられ、昭恵氏が「名誉校長」だったこと、昭恵氏が講演した際の「人払い」した2人だけの席で、「首相から」として100万円の「寄付」を渡され、後日郵便局で振り込ませたことを明言し、小学校の開設認可には松井府知事や亡くなった府議会議員の関与があった可能性などを明らかにしました。籠池氏も「想定外」という破格の安値払い下げについても、当時の迫田英典財務省理財局長(現国税庁長官)の名前を挙げ、詳しい事情を「聞いてほしい」などとしました。

 証人喚問で自民党は安倍首相の「寄付」などを否定させようとしましたが、籠池氏の口からは昭恵氏側とのファクス、メールでのやりとりや「口封じ」の疑惑などが語られ、夫妻との親密ぶりが逆に浮き彫りにされた形です。国会で「森友学園」に対する弁護活動が指摘された稲田朋美防衛相との関係も籠池氏は改めて認めています。関与した自民、「日本維新」の複数の国会議員の名前も指摘しました。

 国有地の払い下げをめぐって、日本共産党の小池晃書記局長の尋問に籠池氏が、昭恵氏が「名誉校長」であることも伝えて、財務省と、ごみが埋まっていたことを理由に値引きを交渉したことなどを否定しませんでした。一連の疑惑が一層深まったのは明確です。

安倍首相らの責任は重大

 疑惑の解明には昭恵氏など関係者や財務省関係者などの国会喚問・招致が不可欠です。財務省など行政府を束ね、自民党の総裁でもあり、妻である昭恵氏を含め、疑惑とのかかわりを一切否定してきた首相の責任が問われます。

 「森友」疑惑が発覚して以降、マスメディアの世論調査でも内閣支持率は相次いで下落しています。安倍首相がこれ以上「森友」疑惑解明に背を向け続ける限り、政治への信頼は低下する一方です。


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