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2017年3月6日(月)

NHK日曜討論 山下副委員長の発言

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 日本共産党の山下芳生副委員長・参院議員団長は5日のNHK「日曜討論」で、2017年度予算案や「森友学園」問題、「共謀罪」「働き方改革」などについて、各党の参院責任者と議論しました。


来年度予算案

組み替え提案の立場でがんばる

 来年度予算案の参院審議にどう臨むかと問われた自民党の中川雅治参院副会長は「早期成立が最良の景気対策だ」と語りました。

 山下氏は、安倍政権の4年間で大企業の内部留保は70兆円増の390兆円まで膨らむ一方、労働者の賃金は年額18万円低下し、家計消費も16カ月連続で前年比を下回っているなど「アベノミクスで格差が広がっている」と指摘しました。その上で「ところが予算案は、お年寄りが増えれば当然増やすべき社会保障費を大きく削る一方で、軍事費は過去最大の5兆1千億円だ。これでは暮らしも経済も、平和も壊れる」と批判。「オスプレイやステルス戦闘機など海外派兵のための軍事費を削って暮らしに回そうと予算の組み替えを提案しているので、参院でもその立場で頑張る」と表明しました。

「森友」問題

政治家の関与を首相は明らかに

 学校法人「森友学園」に国有地が格安で払い下げられた問題で、司会者が「焦点は政治家の関与」だと紹介しました。

 山下氏は、日本共産党の小池晃書記局長の参院予算委員会での質疑を通じて(1)与党政治家に対し「森友学園」側から働き掛けがあった(2)鴻池祥肇議員は最終的に口利きを拒否した(3)それにもかかわらず「森友学園」のシナリオ通りに値引きされた―ことが明らかになったと指摘。「鴻池氏とは別の政治家の関与があったと考えるのが普通だ。安倍首相は、政治家の関与を徹底的に明らかにすべきだ」と主張しました。

 国有地の売却の経緯やごみ撤去費の見積もり方について、自民党の中川参院副会長は「法令上、問題はない。適正な見積もりだ」と、政府答弁を繰り返しました。

 これに対して山下氏は「財務省は記録を全部破棄しており、適正だと言う根拠はない」「記録を破棄したなら当事者に聞くしかない。籠池理事長と当時の財務省理財局長を証人として国会に招致すべきだ」と主張しました。

 民進党の小川敏夫参院会長は「政府が『違法性がない』というのは形式論であり、おかしい。8億2千万円分のごみがあるという客観的な裏付けがない」と批判しました。

 社民党の福島みずほ参院会長は「日本の政治のゆがみをあぶりだしている問題だ」と指摘。自由党の森ゆうこ参院会長は「資料を要求しても政府は出さない」と、政府の隠ぺい体質を批判しました。民進、自由、社民の各党はそろって関係者の参考人招致を求めました。

 自民・中川氏は関係者の国会招致には背を向ける一方、「資料の要求については政府も出すべきだと思う」と述べざるを得ませんでした。

「共謀罪」

物言えない社会「絶対に反対だ」

 原案が明らかになった「共謀罪」法案についても、野党が一致して反対を表明しました。

 山下氏は、原案に「テロ」の文言が一言もなかったことに触れ、「テロ対策は口実にすぎないことがはっきりした。本当の狙いは共謀罪をつくることだ」と指摘。「『共謀罪』とは、実際の犯罪行為がなくとも相談や計画をするだけで罪になる。それを抑えようと思ったら盗聴や盗撮、密告に頼らざるを得ない。物言えぬ社会になるものであり、絶対に反対だ」と述べました。

 「まったく誤解をあおるような発言だ」と“反論”した自民・中川氏は「国際組織犯罪防止条約(TOC条約)に加盟しテロを防ぐためにどうしても必要だ。対象に制約を付けている」と強弁しました。

 これに対し山下氏は、政府が対象を限定する理由に挙げる「準備行為」も「組織的犯罪集団」も「認定するのは捜査機関だ。都合の良いように範囲を拡大することができ、限定はない。現代の治安維持法だ」と批判しました。

 自由・森氏も、当局の恣意(しい)的な捜査の危険性を指摘。昨年の参院選中に労働組合事務所の敷地内に無断で監視カメラが設置された問題を挙げ、「こういうことが堂々と行われるようになり、大問題だ」と述べました。

 元法相の民進・小川氏は「共謀罪を名前だけ変えて成立させようというものであり容認できない。反対だ」「(条約加盟には)現行法制で十分足りる」と表明。社民・福島氏は、TOC条約はマフィア対策の条約であり「テロ対策」は偽りの看板だと指摘しました。

「働き方改革」

「緊急提案」で本当の改革を

 政府が月100時間・年720時間の残業を容認しようとしている「働き方改革」が議論となり、自民・中川氏は、残業時間の限度を具体的に定めることが大事だといいながら、「労使で話し合って合意を」と労使まかせの姿勢を示しました。

 山下氏は、残業時間月100時間という政府案について「長時間労働にお墨付きを与えるものだ」と批判。「月100時間の残業は、過労死してもおかしくない水準だ。いくら会社が忙しい時期でも過労死の危険を冒してまで働かせることを合法化してはならない」と警告しました。

 山下氏は、日本共産党の緊急提案―▽残業時間の上限を週15時間・月45時間・年360時間とし、特例は設けない▽最低11時間の休息時間を確保するインターバル規制を導入する▽長時間・連日の残業は割増率を50%にする▽違法残業には残業代を2倍にする―を紹介し、「この方向に本当の改革を進めていきたい」と述べました。

 民進・小川氏は、月100時間の基準について「過労死と同じラインは長すぎる」と批判し、4野党共同提出の長時間労働規制法案の審議を急ぐよう求めました。自由・森氏と社民・福島氏は「長時間労働を助長するようなことをしてはならない」などとして、政府が成立を狙う残業代ゼロ法案の廃案を求めました。

天皇退位

皇室典範改正で対応するのが筋

 最後に、天皇退位問題について各党が立場を説明しました。

 山下氏は「『個人の尊厳』という憲法の根本精神に照らして考えるなら、一人の方に、どんなに高齢になっても仕事を続けるよう求める今の制度は改革が必要だ」として、退位を認める党の立場を改めて表明。さらに「高齢というのは誰にでも訪れるもので、現天皇だけの特別の事情ではないので、皇室典範の改正で対応するのが筋だ」と述べました。

 各党とも天皇の退位を認める点では一致しましたが、特別法によるか皇室典範の改正によるかで意見が分かれました。自民・中川氏は「衆参議長・副議長の調整を見守りたい」と述べつつ、「今国会で法案を提出して成立をめざす」と表明しました。


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