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2017年2月15日(水)

主張

10〜12月期GDP

消費減、輸出増で安定しない

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 昨年最後の四半期である2016年10〜12月期の国内総生産(GDP)が、前期比0・2%、年率換算で1・0%の実質成長となったことが明らかになりました。実質成長と言っても、その中身は国内需要の約6割を占める個人消費が前期比0・01%の減と低迷を続け、輸出だけが2・6%増と、外需に頼るいびつな成長です。日本経済のぜい弱さは明白であり、5年目に入った「アベノミクス(安倍晋三首相の経済政策)」の破綻は明らかです。日本経済の立て直しのためにも「アベノミクス」を中止し、国民の暮らし優先の経済に切りかえることが不可欠です。

外需に頼る不安定さ示す

 GDPは16年の1年を通しても、全体で前年比実質1・0%の伸びにとどまり、個人消費は、国民の実感に近い名目では0・1%のマイナスとなっています。名目値での個人消費の落ち込みは、15、16年と2年連続です。

 かつての「高度成長」が“消費が投資を呼ぶ”と言われたように、内需の大部分を占める個人消費が増えてこそ、売り上げも増え、生産や投資も増えます。消費が低迷しているのに、外需に頼って経済成長するのは不安定なうえ、円高や輸出摩擦などで外需が減ればいっぺんに危機に陥ります。現にアメリカのトランプ政権が誕生して、自動車の「貿易不均衡」や円安の為替操作をやり玉にあげようとしているのも、その指摘が正しいかどうかは別として、日本経済の不安定性を示すものです。

 「アベノミクス」のもとで低い経済成長が続き、個人消費が伸び悩んでいるのは、安倍政権が国民の暮らしより大企業・大資産家の利益を優先し、“大企業がもうけをあげれば回り回って国民の所得や消費が増える”と「トリクルダウン(滴り落ち)」の経済政策をとるとともに、消費税の増税や年金や医療など社会保障の改悪で、国民の負担を増やしてきたからです。「トリクルダウン」の経済政策は世界中どこでも成功した国はないといわれており、案の定、安倍政権でも大失敗です。

 国民の所得は増えるどころか、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」でも、昨年12月の実質賃金は前年同月に比べ0・4%の減少で、16年1年間を平均しても、実質賃金は0・7%の増加です。実質増は、石油製品など消費物価が上がっていない影響で、年間の名目賃金はわずか0・3%の増加と全く横ばいです。これでは消費を増やす余裕はありません。GDPで見た雇用者報酬(これは役員報酬などを含む)で見ても、10〜12月期は実質で前期比0・0%の伸びと全く横ばいというありさまです。

賃上げ所得増で消費拡大

 国民の消費を伸ばし、経済を安定した成長軌道に乗せるには、「アベノミクス」を中止し、消費税の増税や社会保障の改悪など国民の負担増をやめることです。同時に、賃金を抑えて大もうけを上げている大企業や大資産家に応分の負担を求めて、大企業のため込みを抑制して賃金を引き上げていくことが不可欠です。社会保障の負担減や賃上げで国民の手取りを増やせば、消費に回すゆとりは間違いなく増やすことができます。

 安倍政権は経済の「好循環」を口にしていますが、「アベノミクス」と大企業のもうけ最優先の姿勢をまず改めるのが先決です。


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