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2017年1月9日(月)

埼玉 全国教育研究交流集会 第2分科会から

子の実態ふまえた教育課程を

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 民主教育研究所と、さいたま教育文化研究所が主催し、さいたま市内で開かれた「第25回全国教育研究交流集会@n埼玉」は2日目の8日、テーマ別の分科会で報告と討論を行いました。


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(写真)「学習指導要領改訂と教育課程づくり」について議論、交流した第2分科会=8日、さいたま市内

 第2分科会「学習指導要領改訂と教育課程づくり」では、文部科学省の中央教育審議会が次期学習指導要領改訂への答申をまとめるなか、批判的に分析し、子どもの学習権を保障し人格の完成をめざす実践現場からの教育課程づくりについて討論、交流しました。

 民研代表の梅原利夫さん(和光大学教授)が問題提起しました。今回の「答申」は、すべてが「育成すべき資質・能力」に収れんされ、今後の競争教育に積極的に適応していく子ども像を前面にすえていると分析。2006年教育基本法改定、07年学校教育法改定による「学力の3要素」の法制化が、その源になっていると指摘しました。「教育課程は各学校が子どもや地域の実態を踏まえて作成、実施するもの。教育の自治と自主性を大事にする取り組みをすすめる可能性はある」と語りました。

 埼玉県の元小学校教師が「『ひとり読み』『話し合い』のある読みの授業で想像・思考力を身につけた子どもたち―『赤神と黒神』(松谷みよ子作)」と題して、小学6年生での実践を報告しました。「ひとり読み」とは教材文の語や文に反応したことを書き込んだり、書き出したりすること、「話し合い」は書き出したことをみんなの前で話すことで一人ひとりが授業の作り手になること。一人ひとりの想像力、思考力、語彙(ごい)も学習集団のなかで伸ばすことができるといいます。

 報告者は「学校は子どもたち個々が友だちと生活や学習でかかわりながら、より人間らしい自分へと、みずからすすんでかわる場でありたいと思い続けて子どもたちと向き合ってきました」と話しました。

 学校体育研究同志会の大貫耕一さん(民研教育課程研究委員)は「『アクティブ・ラーニング』の視点(主体的・対話的で深い学び)を体育のグループ学習から問う」と題して、小学4年生の跳び箱運動台上前転・はね跳びの実践を報告しました。技の出来具合の違いに着目しながら観察し合い、技の仕組みや動き方のポイント・コツを助言し合い課題解決に迫る大切さを強調。「動きと技のなかにある科学性をわかり、他者とともにできるようになり、高め合っていくなかで子どもの力は育ってくる。『答申』では『異質な集団で交流する』が明確に位置づいていないのではないか」と語りました。

 全校アンケート調査を行い、子どもの実態から出発する教育課題づくりの実践報告(埼玉)もありました。


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