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2016年11月5日(土)

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日銀の国債購入に限界は?

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 Q 日銀による国債購入に限界があるのですか?(兵庫県・男性)

市場で枯渇近づく

 A 日銀は「異次元の金融緩和」で国債を民間金融機関から買い入れています。その量があまりに多いので、今のペースではいずれ民間金融機関が売ることのできる国債がなくなってしまいます。

 異次元緩和で買い入れる国債の量は、日銀が保有する国債の残高を1年間にどれだけ増やすかのペースが決められています。この政策を始めた2013年4月には年50兆円増でしたが、今は80兆円程度の増加ペースです。

 満期を迎えて償還される国債があるので、実際に日銀が買い入れる国債は年100兆円を超えます。政府が発行する新規国債は13〜16年度は年40兆円前後。銀行や証券会社が入札して買い入れます。それを日銀がすべて買い取っても100兆円には足りません。日銀は、政府が借り換えのために発行した国債や、民間金融機関が保有する既発債も買い取っています。

 日本国債全体の残高のうち日銀が保有するのは13年3月末に13%でしたが、今は40%を超え、日銀は最大の保有者です。

 6割残っているといっても、日銀がすべて買い取るわけにはいきません。リスクの低い国債は民間金融機関や年金基金にとって重要な資産です。国債は銀行同士の取引の担保などにも使われるので、銀行は国債を持っていなければ営業できません。

 日銀の大量購入によって、金融市場で売買される国債はこの3年半でどんどん減っています。民間シンクタンク、日本経済研究センターの試算によると、日銀が今のペースで国債購入を進めれば、17〜18年ごろ国債市場が枯渇し、日銀はそれ以上買い入れを進めることができなくなると予想されます。限界が近づいています。

 (2016・11・5)


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