「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2016年10月10日(月)

新潟知事選ラストサンデー 再稼働ありえない

米山知事誕生必ず 党派超え広がる応援

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 「米山(よねやま)さん、原発動かさないで」「何がなんでも知事になって」。東京電力柏崎刈羽原発の再稼働が大争点の新潟県知事選(16日投票)の最後の日曜日となった9日、米山隆一候補(49)=市民と共産、生活、社民、新社会、緑が擁立=は新潟市内で終日、「原発再稼働はありえない」と懸命に訴えると、多くの市民の激励を受けました。


写真

(写真)握手する米山隆一候補=9日、新潟市東区

 米山候補を擁立した「新潟に新しいリーダーを誕生させる会」のメンバーらが呼びかけた同市東区の桃山公園前での街頭宣伝では、森裕子選対本部長(参院議員)、日本共産党の渋谷明治県議とともに訴え。住民には10人ほどしか声が掛かっていませんでしたが、雨がぱらつく日曜早朝にもかかわらず約70人が参加しました。

 一方、原発再稼働に突き進む自民・公明推薦の森民夫候補(67)=前長岡市長=も同市中央区のイベント会場を自民党国会議員らと歩き、候補者カーから宣伝に躍起。大接戦、大激戦です。

 同じ場所で直前に訴えた米山候補は「私を知事に押し上げてください」と力を込めました。再稼働という大事な問題に人任せで自分の判断をしない人では県民の命は守れないとし、「私は逃げない。再稼働に同意できない」と断言すると、聴衆から大きな拍手が起こりました。

 翻訳家・ドイツ文学者の池田香代子さん、城南信用金庫の吉原毅相談役、民進党の石関貴史衆院議員らが応援に駆けつけました。池田氏は「東電の柏崎刈羽原発の再稼働反対の思いです。福島の人たちの悲しみは深い。あの悲しみをもう誰にも味わわせてはいけない」、吉原氏は「原発を止めないと日本はだめになる。党派を超えるみなさんの力で勝ってほしい」と訴えました。


米山氏立候補 共闘に“火”

自民「想定外の接戦」 業界締め付け

民進党からも次々と応援に

(写真)(左から)松野頼久(民進党衆院議員)、日本共産党の志位和夫委員長、米山隆一知事候補、福島みずほ(社民党副党首)、小沢一郎(生活の党共同代表)、森裕子(選対本部長)、佐々木寛(新しいリーダーを誕生させる会共同代表)の各氏=7日、新潟駅前


(写真)米山知事候補らの訴えに声援を送る人たち=7日、新潟駅前

 16日投開票の新潟県知事選は、柏崎刈羽原発の再稼働反対を訴える米山隆一候補と自公推薦の前長岡市長との一騎打ち。米山候補への県民の期待が急速に広がるなか、自民党に激震が走っています。

 「『まさか』という慢心があった。危なくなると想定していなかった。想定外の接戦に対応が遅れている。新潟では参院選でも負けた。負ければ2連敗。党本部は焦っている」。永田町の自民党関係者は危機感をあらわにします。

 泉田裕彦知事の突然の知事選不出馬表明(8月30日)で、7月の参院選に続き知事選でも勝利して、原発再稼働を止めたいという市民のうねりは一時、衝撃を受けました。

 しかし、知事選告示直前に「事故検証なしに再稼働の議論はできない」という泉田路線の継承を掲げ、米山氏が立候補を表明(9月23日)。県民全体が爆発的に歓迎しました。「まさに絶妙なタイミングで米山候補が登場した。これほど慌てふためいたことはない」(自民党現職県議)

 参院選をへて築かれてきた野党と市民の共闘が再び疾風のように広がっています。「自主投票」となっている民進党からも国会議員や県内の支部長らが、次々と応援に駆けつけています。

 一方、自民党執行部は7日、安倍晋三首相、二階俊博幹事長らが対応を協議。新潟県知事選へ力の集中を図ることを決め、8、9両日には古屋圭司選対委員長、下村博文幹事長代行ら安倍首相の盟友でもある党幹部がひそかに新潟入りし、党組織や業界の引き締めを図りました。さらに中央の指示で、医療関係、商工会議所、農協、土地改良区などの会合を次々と設定。参院選以上の締め付けの動きです。

 危機感を強めた自民党の二階俊博幹事長は、日本経団連との会合(7日)で「電力業界などオールニッポンで対抗する」と表明。安倍政権と電力・産業界の総がかりで、県民の意思を圧しつぶす、なりふり構わぬ姿勢です。

 「原発再稼働の是非だけが争点ではない。県政全体が争点だ」というのが与党候補の主張です。

まとまらない自民党県連内

 しかし、新潟県連の自民議員の一人は「争点が原発だけではないと言えば言うほどおかしくなる。県民の7割超が再稼働反対だ。ほかの課題もあると言い繕っても、『逃げ』としか映らない」と厳しい表情を浮かべます。

 保守層を含む県民感情を背景に、自民党県連内、地方議員や首長らにも「泉田知事続投でよかった」「やはり再稼働は難しい」という声が存在します。関係者の一人は「県連内はまとまり切れていない。バラバラだ」と語ります。7日には自民党元県議の親族が社民党の事務所を訪れ、米山隆一候補の法定ビラを大量に持ち帰りました。

自民が対策会議で「共産攻撃」

 自公推薦の森民夫候補に「上から目線だ」という有権者の批判が広がり、自民党内でも不満が噴出しています。森氏は9月まで県南部の長岡市長を務めていましたが、「知事になっても長岡ばかりやらない。長岡はもう飽きた」(3日、十日町市内)と、長岡市民を愚弄(ぐろう)するような暴言を吐きました。「冗談のつもりか。首長経験者として品がなさすぎる」と党内から批判の声があがります。

 国会議員や党幹部の支援も検討されていますが、「地域の実情のわからない外人部隊が来てもプラスには働かない。『再稼働』の説得などされたら逆効果だ」と危惧の声が漏れます。参院選では安倍首相が3度新潟入りしましたが、大激戦の末、野党統一候補が勝利。「そのトラウマもある」といいます。

 8日に自民党県連は緊急会合を開き「対策」を協議。関係者によると、そこで確認されたのは「共産党が前面に出てたたかう野党候補を勝たせれば、県庁に赤旗が立つ。県庁に赤旗を立てさせるな」という標語(スローガン)だと言います。

 7月の参院選に続き、争点回避の共闘攻撃、共産党攻撃で逃げ切るよこしまな意図と行き詰まりが明白です。

 しかし、原発事故が収束せず、事故検証のないまま原発再稼働は認めないという主張は保守派を含む広範な県民、国民の当然の願いです。

 自民党関係者の一人は、「野党陣営の動きの原動力は共産党だ。行動力、組織力がすごい。そのなかで共産党批判を強める狙いだ」と語ります。しかし別の議員は、「県庁に赤旗が立つわけがない。愚かな策だ」と落胆の表情を浮かべます。

 7日の新潟駅前での野党共同の街頭演説では、野党代表が立ち並ぶ宣伝カーの前にバスが止まるたび、志位和夫共産党委員長や小沢一郎生活の党代表らに、乗客が車中から盛んに手を振り、演壇から党首らが笑顔でこたえる光景が続きました。一緒に演壇にいた「新潟に新しいリーダーを誕生させる会」共同代表の佐々木寛新潟国際情報大学教授は、「こんなことは参院選でもなかった」と手ごたえを語りました。(中祖寅一)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって