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2016年9月4日(日)

岩手・岩泉ルポ どこから手を…茫然

ライフライン復旧早く

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 「どこから手を付ければいいのか。いまは茫然(ぼうぜん)としています」―。台風10号による豪雨災害で、これまでに12人の犠牲が確認され、甚大な被害を受けた岩手県岩泉町(人口約9700人)。9人が亡くなった高齢者グループホーム「楽ん楽ん(らんらん)」のある乙茂(おとも)地区では3日、住人らが、家の泥出しなどの作業に追われていました。(井上拓大、森近茂樹)


写真

(写真)被災者に支援物資を渡す林ア町議=3日、岩手県岩泉町

 氾濫した小本(おもと)川の近くで、「楽ん楽ん」から100メートルほどの距離にある女性(59)の自宅は、1階の天井付近まで浸水しました。「(8月30日の)午後6時ごろに仕事から帰ってきたが、その直後に水がすごい勢いで入ってきた。少し高台にある向かい側の家に娘と避難して一晩過ごしました」

 女性は、夫妻で1階を埋め尽くした泥をかき出しながら語ります。「家財道具はほとんど流された。靴は、はいている長靴しかないんです。今は2階で寝泊まりしていますが、電気も水道もダメなので早くライフラインが復旧してほしい」

 女性の近所の住宅のうち3軒は、川の氾濫で流され、跡形も残っておらず、水流の激しさを物語っています。

 自らも自宅が床上浸水しながら被災者支援に連日奮闘している日本共産党の林ア竟次郎(きょうじろう)町議は、こう訴えます。「岩泉町は東日本大震災でも沿岸部が津波被害を受けたが、今回はそれを上回る広い範囲で水害にあった。東京23区の1・5倍もある広大な岩泉町の復旧は大変だ。私たちも一丸となって復旧にあたるが、国や県の全面的な支援が絶対に必要です」

薬が切れそう/田は石ころだらけ/橋の復旧早く

林ア共産党町議 支援物資届ける

 岩手県岩泉町は、台風10号の影響による河川の氾濫や土砂崩れで道路が寸断され、約900人が孤立状態におかれています。住民には高齢者が多く健康状態などの不安が高まっています。

 同町乙茂地区では、小本川にかかる小本橋の崩落で一部地域が車での通行ができなくなっています。

 「心臓の薬が切れてしまいそうだが、もらいに行けない」。孤立した山側の地域で1人で暮らす男性(75)は心配そうに話します。7年前に心臓弁膜症の手術をして、薬の服用は欠かせません。

 「私が橋の手前まで車で迎えに行くから、いっしょに病院に行きましょう」。林ア町議は、水やコメなどの支援物資を背負いかごに入れ、崩れた橋のやっと歩ける部分を通って高橋さんを訪ねました。

 自宅の近くを流れる小本川の支流の小さな沢があふれて玄関の中まで泥が流れ込みました。「30年以上、ここで住んでいるが、こんなに水があふれたのは初めて。早く橋を仮でも通れるようにしてもらえないと生活ができない」

 男性の近所の女性は、家は無事でしたが、水田の一部が沢の上流から押し寄せた土砂で埋もれてしまいました。荒れ果てた状態を見ながら女性は心配そうに語ります。

 「こんなに石ころだらけになってしまったら、もう田んぼとして使うのは難しいかもしれない。生活再建のためにまずは橋が復旧してほしい」

 支援物資を届けて、じょせいの被害の実情を聞いた林ア町議は、こう強調します。

 「岩泉町では、山間部で暮らす住民が多いので、道路が寸断され孤立して深刻な事態になっている。至急に仮橋をかけるなど、インフラ整備を国や県の支援も受けて急ぎたい」


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