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2016年9月1日(木)

過労うつ解雇 差し戻し判決

東芝の賠償増額 6000万円

東京高裁

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(写真)会見する重光さん(右から2人目)と弁護士たち=31日、東京高裁内

 東芝が過労でうつ病になった重光由美さん(50)を解雇した事件で、重光さんの最高裁勝訴で差し戻された東京高裁の判決が31日、出されました。奥田正昭裁判長は、東芝に対し休業損害や慰謝料、見舞金などと遅延損害金あわせて6000万円以上を支払うよう命じました。解雇無効はすでに確定しています。

 最高裁判決を受けて、重光さんの職場復帰に向けた和解協議が行われていましたが、会社側から希望しない職場と社員平均年収を下回る賃金が提示されたため和解が決裂。判決に至りました。

 重光さんは2001年1月、埼玉県深谷市の工場で、当時、世界最大サイズの液晶画面の製造ラインを短期間で立ち上げるプロジェクトリーダーとなりました。長時間過重労働によって休職し、04年9月に休職期間満了を理由に解雇されました。

 2011年2月の東京高裁判決は、解雇を無効としましたが、重光さんが通院歴を会社に申告しなかったことを過失とみなして損害賠償を2割減額する不当な認定をしました。14年の最高裁判決は「労働者本人から積極的に申告されないことを前提として、労働者の健康に配慮する必要がある」と指摘。今回の差し戻し判決で損害賠償金が大幅に増額されています。

 東京高裁内で会見した重光さんは、「この裁判が過労やパワハラで被災する人が減ることに役立ってほしい。東芝は、メンタルヘルス対策をしていると公言しているので、きちんと対応してほしい」と述べました。


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