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2016年8月23日(火)

激変 新たな前進へ

香川 得票数3倍増の原動力

次につながる共同の発展

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(写真)市民連合と野党がともに結集した決起集会=7月8日

 先の参院選挙で全国32の全1人区において実現した野党統一候補。そのなかで注目を集めた一つが、唯一の日本共産党公認の統一候補として田辺健一氏が立候補した香川選挙区です。立場の違いを乗り越えて大きく広がったたたかいは、野党共闘を進化させ今後へとつながるものとなりました。(森近茂樹)


 「いろいろ大変なこともあったけれど、野党共闘をすすめてよかったと思う。田辺さんもよくがんばってくれました」。民進党香川県連前代表の小川淳也衆院議員(香川1区)は、選挙戦をこう振り返ります。

 「全国で共闘をすすめるためには、こちら(民進党)が譲ることも必要。それが香川だった。国民の立場にたった決断をしたんです」

 小川氏は7月2日、高松市内での応援演説で「野党共闘に勝る大義は今のこの国にはない」と熱烈に訴え、大きな共感を呼びました。

野党と市民一丸

 田辺氏は議席は得られませんでしたが、10万4239票を獲得。2013年参院選での同氏の得票(3万4602票)から3倍増へと前進させることができたのです。

 得票数3倍増の原動力となったのは、野党と市民の共同の豊かな発展です。

 選挙事務所には、他党の支援者、市民が応援に駆け付けました。小川氏の後援会員は連日、電話での対話・支持拡大をすすめました。

 街頭や個人演説会の応援演説には、民進党や社民党の県議、新社会党、みどり・香川の代表らが何度も立ちました。ママの会や市民連合など市民団体の有志も連日のように支援にかけつけました。まさに野党と市民が一丸となった選挙戦を展開したのです。

 初めて応援のマイクを握った女性は「最初は緊張したけれど、戦場に子どもを送りたくない思いを訴えた」と話します。堀尾さんたち「ママの会@香川」では、戦争法や改憲について学ぼうと、9月に憲法カフェを予定するなど行動を続けています。「広がった共同をこれからも生かしていくことが大切だと思います」

経験・成果生かし

 日本共産党の松原昭夫県委員長と田辺氏は選挙後、支援してくれた政党や労組を訪問しましたが、どこでも大きな歓迎を受けたといいます。松原委員長は、次を見据えて決意を語ります。

 「国民の大義に立った野党共闘の力が実感できた。同時に“勝ちに行く”選挙の厳しさも痛感した。香川では9月に各政党代表が参加する集会を予定しているが、共闘の経験と成果を生かして、安倍暴走政治を阻止するたたかいをすすめていきます」

反共攻撃 共同で反撃

“革新県政時代も「赤旗が立つ」と攻撃されたが建ったのは保育園”

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(写真)田辺健一候補とともに宣伝カー上でマイクを握った民進党の小川淳也衆院議員(手前)=7月2日、高松市内

 参院選香川選挙区の野党共闘は、「今後につながるたたかいだった」と共同した政党や団体の関係者は口をそろえます。

野党共闘は機能

 「これからも民主主義を守る運動など、力を合わせるべき課題はある」というのは自治労香川県本部の森信夫委員長です。「選挙前から戦争法反対の行動などで共同をすすめてきた。その積み重ねがあったからこそ参院選でも共闘がスムーズにできたのだと思う。安倍政権が改憲を狙っているなか、共同をさらに発展させる必要がある」

 香川選挙区を取材した大手メディアの記者は、参院選の野党共闘が衆院選にどうつながるか注目しているといいます。「正直、共産党が小さい香川では野党共闘は形だけで、得票も10万票は出ないだろうと予測していた。ところが共闘は機能していた。甘く見ていた自民党の衆院議員はあせったのか、参院選後に選挙中以上に真剣な表情で街頭演説していた」

 香川の野党共闘は、反共攻撃とのたたかいでも貴重な成果をあげました。自民党候補陣営は、支援の国会議員が「共産党はこわい」などと反共デマ、野党共闘攻撃を執拗(しつよう)に仕掛けてきました。

 これに日本共産党だけでなく、他党議員も反撃。社民党県連代表の高田良徳県議は「革新県政時代も『県庁に赤旗が立つ』と攻撃されたが、実際に建ったのは保育園や福祉施設だ。卑劣なデマ攻撃には負けない」と切り返しました。高田氏は「ワンパターンのデマ攻撃だが、事実をもってしっかり反論することが大事だ」と語ります。

確認書使い説得

 日本共産党の松原昭夫県委員長と民進党県連代表だった小川淳也衆院議員が結んだ「基本的事項の確認書」も重要でした。ある民進党関係者は「共産党からすれば当たり前の内容かもしれないが、まだ誤解や偏見を持っている人もいる。あの確認書を持って説得に回った」と言います。この確認書はメディアでも注目を集め「国家の根幹に関わるところまで言及したのは香川だけ」(『サンデー毎日』7月24日号)などと紹介されました。

 激戦を物語る日焼けした顔で田辺氏は語ります。「他党や市民団体の人たちと、政策だけでなく人間的にもきずなが深まり、希望のわくたたかいだった。引き続き共同を強めて安倍政権の暴走を止めたい」

基本的事項の確認書

 参院選香川選挙区での野党共闘をすすめるために6月3日、日本共産党香川県委員会の松原昭夫委員長と民進党県連代表(当時)の小川淳也衆院議員が結んだ確認書。「有権者の正しい理解を求めるため」に日本共産党綱領の趣旨に従い、▽資本主義の枠内での民主的改革▽日米安保条約廃棄や自衛隊の解消という共産党の政策は野党共闘に持ち込まない▽天皇制を含めた現行憲法の全条項を守る▽一党独裁の否定―などを確認しています。


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