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2016年8月3日(水)

大規模な粛清進むトルコ

野党「専制に反対」

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 トルコのエルドアン政権は、7月15日に起きた軍の一部によるクーデター未遂後、3カ月の非常事態を宣言し、クーデターとの関連を理由に大規模な粛清を続けています。野党からは「専制に反対」との声が上がっています。(小玉純一)


 政権は、クーデターの首謀者をイスラム教聖職者ギュレン師だとし、その組織を根絶すると断言。非常事態宣言のもと、軍、司法、行政、教育機関などの6万人以上を、職務停止や解任、拘束し、取り調べを行っています。拘束者への拷問もあるとの報告が人権団体に寄せられているといいます。

 国会は7月21日、非常事態宣言を賛成346、反対115で承認しました。クーデターの企てに与党とともに共同で反対の声明を出した野党3党は、今回は態度が割れました。極右の民族主義者行動党は賛成し、クルド系の国民民主主義党は反対。政教分離の世俗派で野党第1党の共和人民党の議員は賛否が分かれました。

「民主主義を」

 国民民主主義党は声明で「クーデターの企ては政府にとって、すべての反対者を粛清し、民主主義を抑制する機会になった」「危機脱出の道は非常事態宣言でなく民主主義だ」と指摘しました。

 共和人民党のクルチダルオール党首は「クーデター容疑で起訴された人々は民主主義と法の支配に沿って審理されるべきだ。魔女狩りは必要ない」「無実の人を罪人と一緒にしてはならない」とメディアに語りました。

 共和人民党は24日、最大都市イスタンブールでクーデターの企てを非難する屋外集会を開きました。横断幕には「クーデターに反対、専制に反対」。クルチダルオール党首は、クーデター未遂を「民主主義の勝利」と述べる一方、今後「国が怨念と怒りと偏見によって統治されてはならない」「容疑者は法的に裁かれるべきだ」と訴えました。

理不尽なやり方

 エルドアン大統領は25日、与党・公正発展党と野党・共和人民党と民族主義者行動党の党首を大統領府に招待し、クーデター未遂とその後の対応を協議しました。一方、招待されなかった国民民主主義党は「理不尽なやり方」と批判しました。

 トルコの政権は長くクルド系武装組織、クルド労働者党(PKK)と対立。エルドアン政権は国民民主主義党がPKKと直接つながっていると非難していますが、国民民主主義党はこれを否定しています。

 国民民主主義党のデミルタシュ党首は30日、「ギュレン関係者ではない真の政府批判者が非常事態の法令を適用されることを心配している」と懸念を表明。同党は31日、クルド人が大部分を占める南東部ディヤルバクルで、クーデター反対と民主主義守護を訴える集会を開きました。


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