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2016年7月12日(火)

南スーダン 自衛隊、交戦の危険

宿営地にも砲火 避難民流入

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 アフリカ中部・南スーダンの首都ジュバで政府軍と元反政府軍による戦闘の拡大が続いていることを受け、菅義偉官房長官は11日の記者会見で、「治安情勢が急激に悪化している」と認める一方、自衛隊の派兵は継続する姿勢をにじませました。ジュバに駐留する自衛隊のPKO(国連平和維持活動)部隊は本来、紛争当事者間の停戦合意などの「PKO参加5原則」が崩れれば、駐留の根拠を失います。戦争法に基づく新任務の付与など論外です。

 国連南スーダン派遣団(UNMISS)の10日付の報告などによると、自衛隊が宿営するトンピン地区やUNMISS司令部の置かれているジェベル地区付近でも激しい戦闘が発生し、砲火にさらされています。トンピン地区の国連基地内にも、数百人規模の民間人が保護を求めて押し寄せる事態になっています。

 国連事務総長は、ジュバの国連施設そのものが「交戦状態に陥っている」とも指摘しています。しかし、菅氏はこうした現状を記者から問われても「具体的なことは承知していない」と説明を拒否。自衛隊の今後の対応について、「(国連安保理の)決定には従いたい」と述べ、UNMISSの活動期限が延長されれば自衛隊派兵を継続する姿勢を示しました。

 こうした安倍政権の「参加5原則」を無視した対応は、今回が初めてではありません。2013年末に大統領派と前副大統領派の衝突を契機にして戦闘が全土に拡大した時も、撤退を一時検討しながら駐留を優先。当時、自衛隊は数カ月にわたって国連施設内に限定した活動を余儀なくされました。

 さらに、3月に施行された戦争法の一部である改定PKO法が適用されれば、今回発生しているような宿営地に民間人が保護を求めてきた場面や、他国軍と連携して宿営地を防衛する場面などで自衛隊の武器の使用(発砲)が可能となります。しかも、交戦相手が南スーダン政府軍となる可能性もあります。

 政府は、自衛隊が戦後初めて海外での武力行使に踏み込み、殺し殺される事態を招く道を選ぶべきではありません。(池田晋)


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