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2016年6月18日(土)

指標でみるアベノミクスの姿

安倍首相は自賛するが…

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 安倍晋三首相は参院選に向けた全国遊説で、判で押したように「最大の争点は経済政策」と述べています。そして、「アベノミクスで雇用が110万人増えた」「給料も上がっている」などと数々の経済指標を並べ立て、アベノミクスを自賛しています。しかし、実際は、アベノミクスによって貧困と格差が広がり、国民生活は困窮しています。政府発表の経済指標などから見えてくる本当の姿は―。


大企業の内部留保 大幅増

超富裕層の資産倍増

大企業・富裕層

 アベノミクスは、大企業と大株主に膨大な利益をもたらしました。大企業(資本金10億円以上)は、内部留保を2012年1〜3月期の265・4兆円から16年同期の301・2兆円へと35・8兆円も増やしました。

 安倍政権は、大企業が負担する税金を減らしました。国と地方を合わせた法人実効税率は、第2次安倍政権発足時の37・0%から16年度には29・97%へ7・03ポイント下落。18年度に29・74%に下げるとしています。また、復興特別法人税を1年前倒しで終了させ、法人実効税率の引き下げと合わせ4兆円も減税しました。

 安倍政権は公的資金も使い、株高政策を推進。米誌『フォーブス』集計の「日本の超富裕層」上位40人の資産総額は、12年の7・2兆円から16年の15・4兆円へと2倍以上に膨らみました。

 「日本の超富裕層」上位10人だけで、資産は5兆3035億円も増加。最も増やしたのはソフトバンクの孫正義会長で、1兆2619億円です。16年に保有資産額トップとなったユニクロの柳井正ファーストリテイリング会長兼社長は、12年に8151億円だった資産を16年には1兆9609億円へ、1兆1458億円も増やしました。

「働く貧困層」増加 格差拡大

雇用

 一方、非正規比率(役員を除く雇用者に占める非正規の割合)は、2013年1月の35・3%から16年4月には36・8%に上昇。25〜54歳では28・4%から29・1%に増えました。結婚や子育ての時期となるこの世代の非正規比率が3割であることが、格差と貧困を深刻なものにしています。

図

 年収200万円以下のワーキングプア(働く貧困層)は、13年の1120万人から14年は1139万人に増加しました。

 実収入から直接税と社会保険料を除いた可処分所得が減っています。物価変動の影響を除いた実質可処分所得は、12年の月額42万6610円から15年は40万8649円へ1万7961円も減りました。30年前の水準です。

暮らし

 円安で輸入物価が上がり、食料品が高騰するもとでエンゲル係数(消費支出に占める食費の割合)が高まっています。12年の23・6から15年は25・0と1・4ポイントも上昇しました。

 可処分所得が減り、物価が上昇する中では、貯蓄もできません。金融資産を持たない世帯(2人以上)は、12年には26・0%でしたが、15年は30・9%へと4・9ポイントも増えました。

 長引く景気の低迷と消費税増税が暮らしや営業を悪化させています。

 生活保護受給者も増加。中小企業数は、12年から14年の間に4・4万社減少しました。

 農林水産物輸入額は、12年の7・9兆円から15年は9・5兆円へと1・6兆円も増加しました。一方で安倍首相が増やすとしている輸出は、12年の4497億円から15年は7451億円へと2954億円しか増えていません。

「自然増」を1.3兆円カット

社会保障

 安倍政権が13〜16年度の4年間に削減した社会保障の「自然増」(国費)は、1兆3200億円にのぼります。介護報酬の大幅削減や生活保護費の切り下げなどによるものです。「介護難民」「医療崩壊」をもたらした小泉「構造改革」を上回る削減額です。

 さらに、これとは別枠で、年金・医療・介護の給付を1兆9200億円も減らしました。年金支給額を3・4%切り下げて1兆7000億円削減。70〜74歳の患者負担2倍化や、介護保険への2割負担導入などで2200億円削りました。

図

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