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2016年6月15日(水)

フロリダ乱射事件

全米3億5700万丁 銃社会悲劇再び

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 【ワシントン=島田峰隆】米国史上最悪となった南部フロリダ州オーランドでの銃乱射事件は、殺傷能力のある銃器を誰でも容易に手に入れられる銃社会の危険性を改めて鮮明に示しました。銃規制は、テロ対策とともに11月の大統領選の争点の一つになる可能性があります。

規制問題 大統領選の争点にも

 オバマ米大統領は13日、「考える必要があるのは、強力な銃器を簡単に手に入れられることが生む危険だ」「テロや過激主義には対抗しなければならない。同時に、他人を傷つけたいと考える者にとって銃器の入手を難しくしなければならない」と語り、銃規制を訴えました。

 事件を受けて、民主党の指名候補を獲得したとされるクリントン前国務長官は「銃がテロリストに渡らないようにする必要がある。戦争の兵器が町に存在しないようにする」と規制強化を訴えました。

 共和党の指名候補を獲得した不動産王のトランプ氏は、銃規制には反対。同日の演説でも、事件は「イスラム過激主義」によるものであり、「イスラム教徒の入国禁止」という自らの持論の正しさを示したと強調し、クリントン氏への攻撃材料に利用しました。

 地元警察などによると、容疑者は使用したライフル銃と拳銃を合法的に購入しました。これまでの大規模な銃乱射事件でも、使用された銃のほとんどが合法的に購入されたものでした。

 米紙ワシントン・ポストによると、2013年時点で米国内にある銃器の数は約3億5700万丁と見積もられ、米国の人口(約3億1700万人)より多くなっています。昨年1年間の銃乱射事件は355件と毎日のように起きています。

 米国では悲惨な事件が起きるたびに銃規制の必要性が議論されてきました。しかし実効性のある規制は実現していません。背景には、銃規制に反対する圧力団体、全米ライフル協会(NRA)の影響が指摘されています。

 12年12月に東部コネティカット州で起きた小学校での銃乱射事件を受けて、13年には攻撃用武器の販売禁止や銃購入者の身元調査の拡大を目指す銃規制法案が議会に提出されました。しかしNRAの影響を受けた議員が反対し、否決されました。NRAは、2000年の大統領選では銃規制に賛成した民主党候補への批判宣伝を展開しました。

 銃規制を求める「銃暴力ストップ連合」は12日、オーランドの事件は「銃の圧力団体の恩義を受けた議員らが強力な規制法をつくってこなかった代償だ」と批判しました。


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