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2016年6月6日(月)

アジア安全保障会議

南シナ海問題 米比を非難

中国副参謀長 仲裁手続きも拒否

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 【シンガポール=松本眞志】中国の孫建国・連合参謀部副参謀長は5日、シンガポールで開催されたアジア安全保障会議の「紛争の解決」セッションで、米国が南シナ海で行っている「航行の自由作戦」を「無責任」と非難しました。フィリピンが常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)に求めた仲裁手続きを拒否する姿勢を改めて強調。中国の強硬な姿勢に対してベトナムのグエン・チー・ビン国防次官は、軍事衝突を招く恐れがあると警告しました。


強硬姿勢に批判も

 中国は南シナ海で岩礁の埋め立てや軍事利用できる施設の建設を大規模に進めています。カーター米国防長官が4日に「孤立を招く万里の長城を築きかねない」と中国の行動批判したことに対して、孫氏は「壁をつくっているのは一部の国々だ」と反論。米軍の軍艦や軍用機による「航行の自由作戦」について、「中国の主権と安全保障上の利益が侵されることを許さない」と述べました。

 常設仲裁裁判所は近く、中国が主張する領有権や管轄権に関して、国連海洋法条約に基づいて仲裁裁定を出す見通し。孫氏は、「中国は裁定に従わない」と言明しました。

 ベトナムのグエン・チー・ビン国防次官は、中国を念頭に、「一方的で威圧的な行動に特徴付けられる懸念すべき傾向」を指摘し、「軍事拠点化する危険を冒している」と批判。「悲劇的で前例のない結果をもたらす軍拡競争の恐れ」と述べ、軍事衝突の危険を警告しました。

 4日に行われた特別セッション「南シナ海の緊張を制御する」では、中国軍事科学院中米防務関係研究センターの姚雲竹(よううんちく)少将が、領有権争いの直接の当事国による平和的交渉の必要を訴えました。

 同セッションでベトナムのブイ・バン・ナム公安次官は、南シナ海行動宣言(DOC)に基づく解決の重要性を強調しました。

 DOCは中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が2002年に合意したもので、領有権争いの平和的解決や事態を悪化させる行為の自制などを明記しています。

 両セッションの質疑では、「常設仲裁裁判所の裁定が気に入らないからといって、これを受け入れないということはできない」と批判する意見が国際法専門家から出ました。一方で、米国の軍事力を動員した行動を懸念する声もありました。

 アジア安保会議は5日、閉幕しました。


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