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2016年5月23日(月)

2016米大統領選

ウォール街献金急増

すでに前回時突破 最高裁判決も影響

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 【ワシントン=島田峰隆】11月の米大統領選に名乗りを上げた民主、共和両党の候補者に、米ウォール街(金融業界)が政治資金管理団体を通じて行った献金額が、4月半ばの時点で前回2012年の大統領選時の献金総額を超えていることが明らかになりました。米消費者団体パブリック・シチズンがこのほど明らかにした報告書で指摘しました。


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(写真)ウォール街の政治献金などに抗議してデモ行進する人たち=4月17日、ワシントン(島田峰隆撮影)

金融規制  弱体化を狙う?

 今回の大統領選では、ウォール街からの献金を拒否し、経済格差の是正を訴えるサンダース上院議員が民主党の指名候補争いで善戦するなど、ウォール街批判が一つの焦点になっています。このような中で、ウォール街が史上最大規模の政治献金を行っている格好です。

 パブリック・シチズンは、その理由として、ウォール街が次期政権への影響力を得て、08年のリーマン・ショック後に導入された巨大金融機関への監視・規制を強める法律(ドッド・フランク法)を弱体化させることを狙っているとのべています。

 報告書は、献金の異常な増加の背景に、米最高裁の10年の判決(通称シティズンズ・ユナイテッド判決)があると指摘。企業・団体の政治献金を規制するのは憲法違反だとするこの判決によって、従来の献金額に制限のある「政治活動委員会」(PAC)とは異なり、無制限に政治献金を集められる「スーパーPAC」と呼ばれる政治資金管理団体が出現しました。

 報告書によると今回の大統領選で、金融、保険、不動産業界がスーパーPACを通じて候補者(撤退した人も含む)に行った献金は、4月16日までで約2億4500万ドル(約270億円)に上ります。予備選段階にもかかわらず、4年前の大統領選でこれらの業界がスーパーPACを通じて行った献金総額約1億6200万ドル(約180億円)をはるかに上回っています。

 スーパーPACを通じた献金のうち金融業界からの献金が占める割合は4年前には約2割でしたが、今回は4割以上を占めています。

 報告書は、指名を獲得した大統領候補が、政策面や政権準備チームの重要ポストへの任用などを通じて「大口献金者に報いる長い伝統」が続いてきたとのべています。

 同時に、有権者の関心の高さの背景に「政治に影響を与えるウォール街への怒り」があると指摘。「だれが大統領になろうと、国民はウォール街の動きを注視し続けるだろう」としています。


 米国の政治資金 米国では企業・団体による政党・候補者への直接の献金が禁止されているため、「政治活動委員会」(PAC)という政治資金管理団体を通じて献金が行われます。個人・団体それぞれに献金額の上限があります。スーパーPACにはそうした上限がありません。これとは別に、投票の呼び掛けなどの選挙運動資金を名目にした「ソフト・マネー」と呼ばれる献金があり、これは選挙管理委員会の規制を受けません。

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