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2016年5月22日(日)

タイ軍事クーデターから2年 政府批判者相次ぎ拘束

軍政長期化 意図隠さず

総選挙延期を示唆

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 【バンコク=松本眞志】タイでプラユット現首相が主導したクーデターから22日で2年が経過しました。軍政は8月の新憲法草案の国民投票を前に、政府に批判的な人々を相次ぎ拘束。民政復帰に向けた来年の総選挙の延期を示唆するなど、軍政の長期化を図る意図を隠していません。


 クーデターの前、北東部の農民や首都圏の低所得層を主な支持基盤とするタクシン元首相派の政権に対して、エリート層を中心とする反タクシン派が街頭行動を過激化。混乱収拾を理由に、反タクシン派に肩入れする軍のプラユット陸軍司令官(当時)がクーデターを強行。軍政に強大な権限を与えた暫定憲法を施行しました。

 新憲法草案は議員以外の首相選出、軍政統治機関の国家平和秩序評議会(NCPO)による上院議員の任命制など、非民主的条項が多く、国民の批判が強まっています。

 プラユット政権は国民投票法で言論を規制。インターネットへの書き込みも含めた批判的な意見が違法とされています。

 軍政下で出頭を命じられた活動家らは1300人以上。軍事裁判にかけられた民間人は1600人以上です。

 タクシン元首相派のタイ貢献党など主要野党や市民運動家、学者だけでなく、反タクシン派の民主党有力者らは4月、自由な議論をもとめる声明を発表しました。

 プラユット首相は最近、国民投票で新憲法草案が否決されたら、来年の総選挙は延期され、次の新憲法草案が可決されて総選挙が実施されるまで首相にとどまると述べました。

 首都バンコクにあるチュラロンコン大学文学部の学生(21、男性)は「2年も経過しているのに、プラユット氏が問題解決まで首相を続けるのは間違いだ」と批判。クーデターについて、「政権に問題があったとしても、クーデターで政権を倒すやり方はおかしい」と語りました。

 同じ文学部学生(21、男性)も「軍政が国民を統制する政治を行い、逮捕を恐れて自由にものが言えなくなっている」と批判。一方で、「首相が規制しても、若者は自分たちには権利があるとの強い意志がある。危険が伴っても、権利を守ろうとするだろう」と語りました。


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