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2016年5月14日(土)

飛行ルートを隠ぺい

「安全性」偽装を促す

オスプレイ配備 国民欺き対米従属

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 日本共産党の笠井亮議員が13日の衆院外務委員会で暴露した非公開の日米合同委員会概要(2012年7月26日付=下段)。反対世論が強い米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの沖縄配備を進めるため、日本の当局者が国民を欺くための方策を米側に進言していたという屈辱的な実態が浮かび上がりました。 (関連記事)


 米国は同年6月、オスプレイ配備を日本政府に正式通告しましたが、前後して墜落事故が続出(4月にアフリカ・モロッコで4人死傷、6月に米フロリダ州で5人重傷)。国民の懸念が噴出しました。

 概要で日本側は「懸念が沖縄のみならず全国に拡がっている」と認めています。ところが、世論に沿って配備の中止を求めるどころか、「オスプレイの運用に制約を課すことなく取り得る措置」に言及。「安全性を(国民に)効果的にアピール」するよう米側に具体的な提案までしているのです。驚くべき国民無視・対米従属の姿勢です。

 それだけではありません。オスプレイ配備反対の世論が全国に広がったきっかけは、12年6月に米側が公表した「環境レビュー(審査報告書)」に、日本全国に広がる低空飛行訓練ルートが初めて記載されたことです。

 本紙がこれをいち早く報じ、「わが町の上空をオスプレイが飛ぶ」と全国で配備反対の決議が相次ぎました。

 これに関して日本側は驚くべきことに、「低空飛行訓練が全国的な問題となっており日本側が対応に苦慮している」と“苦言”を呈したのです。

 米側は、「日本の事情や今までのやりとりをよく知らないワシントンの関係者が作成したもの。率直に言って日本側に申し訳ない」と、「釈明」をしています。

 昨年10月、米空軍横田基地(東京都)への特殊作戦機CV22オスプレイ配備に関する「環境レビュー」が公表されましたが、そこには、同機の飛行ルートが全く記されていません。日本側の“苦言”を踏まえ、隠蔽(いんぺい)した可能性が濃厚です。

 オスプレイは、飛行中にエンジンが停止しても安全に着陸できるオートローテーション(自動回転)機能がありません。そのことは米側も公式資料で認めています。

 ところが日本側が「オスプレイにオートローテーション機能があることを対外的に説明する必要がある」と指摘し、“偽装工作”を促したのです。

 米側は当然ながら完全無視。概要に反応は何も残っていません。結果的に、オスプレイのオートローテーション機能の欠如が改めて証明された形です。 (竹下 岳)


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