「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2016年5月13日(金)

熊本地震災害に対する申し入れ(第3次)

5月12日 日本共産党国会議員団

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 日本共産党国会議員団が12日に提出した「熊本地震災害に対する申し入れ(第3次)」は次の通りです。


 熊本県を中心とする地震災害では、震度7の大地震が2度起き、震度6や震度5を含む1300回を超える連続的な地震という、経験したことがない地震による甚大な被害が起きている。住宅など7万棟以上の建物が全半壊、損壊となり、多くの被災者が厳しい避難生活を強いられている。あらゆる対策を被災者最優先の原則ですすめることがいよいよ大事になっている。

 日本共産党は、これまで2度にわたって、政府に緊急対策などを申し入れてきたが、発災後、1カ月が経過した時点で、解決が求められる問題について、以下の点で、政府が対策をとることを求める。政府の対策が、被災者をはげまし、生活と生業(なりわい)の再建に希望を持てるようにすることがいよいよ重要になっている。

1、被災者の命と健康を守るために、避難所をはじめ被災者の生活環境を急いで改善する

 わが党は、4月26日の党首会談において、政府が4月15日に発した「避難所などの生活環境の整備等について」という「通知」に示されている、プライバシーの確保、暑さ寒さ対策、入浴および洗濯の機会確保、適温食の提供と栄養バランスの確保、高齢者や病弱者への配慮、福祉避難所の設置などを、現場で実現することを強く要望した。

 ところが、それから半月が経過した現時点での状況は、被災自治体、関係者、ボランティアの方々の懸命のがんばりがあるものの、この「通知」で示された内容と現場の実情には、いまなお大きなギャップがある。政府は、自ら出した「通知」が現場で実現するまで見届ける責任がある。

 さらに、これから気温が上がり、梅雨を迎えるなどの中で、体育館などの大規模施設での冷房、蚊など防虫対策、熱中症・感染症・食中毒などへの予防対策など、被災者の生活環境改善のためのいっそうの努力が必要である。

 現時点でも、多くの被災者が、車中泊や自主避難、損壊した自宅での「避難」などでの避難生活を強いられている。すべての被災者の実情をつかみ、「被災者の希望第一」という立場で、必要な支援を行うことを対策の基本にすえることを求める。

2、必要な仮設住宅を早急に建設する

 仮設住宅の建設は、緒に就いたばかりであり、多くの場合、必要な建設用地の確保さえできていない状況である。住宅の被害は甚大であり、「みなし仮設」の確保をはかりながら、かなりの規模での仮設住宅の建設が必要である。住宅が壊れ、避難所で厳しい避難生活をしている被災者にとって、仮設住宅にいつ入居できるのかは切実である。国公有地の活用や民有地借り上げの支援など用地確保をはじめ仮設住宅の建設への支援を強化することを求める。

3、住宅再建に対する公的支援を実態にあわせて抜本的に強化する

 住宅への被害がきわめて大きい。被害が集中している地域では、住宅が軒並み倒壊し、住宅の再建ができなければ、地域のコミュニティーが丸ごと損なわれることが強く危惧される。住宅の再建は、被災者の生活と被災地の復興の基盤であり、生活再建への希望がもてるような支援が求められている。

 被災者生活再建支援法による支援を300万円から500万円に引き上げる、対象を半壊にも拡大するなど抜本的に強化することを求める。また、一部損壊住宅の修繕・耐震強化を支援できるように、住宅リフォーム制度などの拡充・創設を行うことが必要である。

4、中小業者、農業、観光など、事業者が受けた大きな打撃から立ち上がることができるようにする支援や雇用を守るための必要な支援を行う

 被災した事業者が事業再開への希望と意欲がもてる支援策があってこそ、生活と生業、被災地の産業と経済の復興の展望が開ける。被災した中小企業の事業所や設備・機械、商店と商店街、畜舎や農業設備・機械などの再建に必要な直接支援を求める。

 多くの労働者が、失業、自宅待機を余儀なくされており、ハローワークや労働基準監督署に多数の相談が寄せられている。現場の相談体制を拡充・強化するとともに、休業でも受給できる失業給付の特例や雇用調整助成金の大胆で機動的な活用をはじめ、被災による解雇や失業を防止するために力をつくすことを求める。復興事業を就労支援として行うなど、就労支援、雇用創出などの緊急雇用対策を具体化することも必要である。

5、復旧・復興は、全額国庫負担で行うことを明確にして、被災自治体が、被災者の生活再建と復興に全力をあげられるようにする

 熊本県をはじめ被災自治体からは、「10分の1が地元負担という激甚災害制度では、町や村の年間予算の全部を注ぎ込んでも復興できない」という痛切な声があがり、東日本大震災をふまえて、特別法を制定するなど被災自治体の財政負担を実質ゼロにすることを強く求めている。

 被災自治体が「財政負担」への不安で、被災者への支援や復旧・復興に積極的に取り組むことができない状況に陥り、被災者と被災地の希望を奪うことになってしまうことは、絶対に避けなければならない。甚大な被害の実態と被災自治体の実情をふまえ、法的措置を含め、復興は全額国庫負担で行うことを早急に表明することを求める。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって