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2016年4月21日(木)

主張

「熊本地震」と原発

不安無視する稼働継続許せぬ

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 熊本県と大分県を中心にした九州地方の連続地震が続くなか、鹿児島県薩摩川内市の九州電力川内原発1、2号機が、全国で唯一運転を続けていることへの不安が広がっています。地震の被害が原発に及べば重大な被害が予想されるうえに、住民の避難にも支障をきたしかねないからです。日本共産党は川内原発の停止や英知を集めた検討を求めています。住民の高まる不安をかえりみず稼働を続ける、安倍晋三政権や原子力規制委員会、九州電力の姿勢は重大です。

かつてない地震活動に

 熊本地方から始まった一連の地震は、熊本県内の阿蘇地方や大分県内にも震源が広がり、一つの断層で発生した地震が別の断層の地震を誘発する、かつてない事態となっています。19日夕方には、これまでの震源の南西端まで震域が広がりました。原子力規制委は14日以来の地震での川内原発への影響は「想定内」で心配ないといいますが、それはあくまでも「これまで」で、「これから」震源が広がる可能性は否定できません。

 現に、今回地震を起こしている日奈久断層はさらに南西側の水俣方向にも延びており、その周辺ではまだ大きな地震は起きていません。日奈久断層の先にもさらに別の断層があります。これらの断層が動いて大きな地震が起きれば川内原発に影響しない保証はなく、その危険性を考えれば、川内原発の停止は当然検討すべきです。

 九州各地での地震の活発化は、阿蘇などの火山活動にも影響する可能性が懸念されており、周辺には雲仙、霧島、桜島などの火山もあります。原発の稼働を続ける危険性は明らかです。これまでのところ大きな影響が出ていないからとの理由だけで、原発を動かし続ける根拠のなさは明らかです。

 地震や火山噴火で原発の電源が途絶えるなどして運転できなくなり、放射性物質が外部に漏れ出すなどの重大事故を起こせば、大規模な住民避難が必要になります。これまでの地震でも九州新幹線や高速道路がとまり、復旧には長期間かかる見通しです。川内原発が事故を起こした場合の避難計画は大半が自家用車やバスを使うものですが、薩摩川内市長はかつて九州新幹線の利用を主張したこともあります。新幹線や高速道路がとまっているだけでも、避難や救援活動への支障は明らかであり、何が何でも川内原発を稼働し続ける姿勢は改めるべきです。

 地震活動が拡大すれば危険になるのは川内原発だけではありません。現在地震を引き起こしている断層はいずれも日本列島を東西に走る中央構造線断層帯の延長線上にあるとみられますが、九州の東隣りの四国の西端には、中央構造線付近に四国電力伊方原発があります。同じ九州北部の佐賀県にも九州電力玄海原発があります。いずれも停止中ですが、原発内には核燃料があり、事故の際の心配があります。地震活動が活発化するなか、これらの原発の再稼働もすべきでないのは当然です。

原発停止でも電力賄える

 現在国内の電力消費は原発がなくても賄える水準で、川内原発を停止しても電力不足は起こりません。関西電力高浜原発が司法の判断で停止しても、不足はしませんでした。地震活動の活発化で危険な川内原発の停止は、切実なだけでなく実現可能な対策です。


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