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2016年4月21日(木)

熊本地震 避難所 募る疲労「仮設早く」

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 熊本地震の余震が連日続き、多くの被災者が学校や体育館で寝泊まりし、疲労がつのっています。20日、熊本市中心部の避難所を日中に訪ねると、被災者から、入浴や衛生状態だけでなく、今後の住宅問題などを心配する声が聞こえてきました。

入浴できない

 約1000人が避難している五福小学校(中央区)では、体育館や教室のほか、廊下で寝る被災者も。段ボールと毛布などを敷いた固い寝床です。

 同小の近所で独り暮らしをしている女性(67)は、15日から避難所に身を寄せています。「家には着替えを取りに帰るだけ。怖くて帰りたくない」

 避難所の職員から体を動かすように勧められていますが、「いつ大きな揺れが起きるか分からないので、座っているか寝ているだけ。とにかく今は、地震が早くおさまってもらいたい」。

 3人の子どもと夫と避難しているパートの女性(40)は、洗濯機の注水ホースがはずれ自宅マンションが水浸しになり、当面戻れません。

 「入浴できないことが一番困っている」といいます。無料開放されている温泉などの浴場は長時間待ちと聞き、行くのをためらっています。19日、避難所で知り合った人の身内から風呂を借りました。

 この避難所でも断水が続き、トイレ用にため置いている水も節約しているため衛生状態の悪化を懸念しています。

痛みこらえて

 約200人が避難している春日小学校(西区)では、21日に予想される大雨で体育館の裏山が崩れる恐れがあるため、教室へ移動する準備をしていました。

 「これくらいしか曲がらない」と、伸ばしていた右足のひざをほぼ直角にした男性(74)。両足のひざを5年前に手術し、しゃがむことができません。洋式のトイレしか使えず、不自由しています。16日未明の本震の津波注意報で痛みをこらえ、高台に避難しました。

 被災者を対象に無料開放されている浴場へは、車が運転できないため行けません。「安倍首相は被災者の声を聞いて、仮設住宅など対策を急いでほしい」

 3人の子どもを抱えている男性(32)は16日の本震で、3人の子どもを自宅アパート1階の窓から放り投げるように避難させたといいます。

 「物資は十分届いていて文句は言えない」としながらも「狭くてもいい、家族が暮らせる家がほしい。空いている公営住宅を提供してもらえないか」と話しました。

 (唐沢俊治)


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