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2016年4月5日(火)

異次元金融緩和3年

大企業・富裕層 大もうけ

庶民 物価高と利子収入減

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 日本銀行が量的・質的金融緩和(異次元の金融緩和)に踏み切って4日で3年になりました。アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)の「第1の矢」として始まった大規模な金融緩和政策です。日銀が民間銀行に大量のお金を流せば物価が上がり、経済活動が活発になるとの触れ込みでした。しかし、物価上昇や預金利子の減少で庶民の生活苦は深まるばかり。円安、株価上昇で大企業・富裕層ばかりがもうかっています。

図

実質消費水準は大震災下回る

 「アベノミクスの一番の想定外は消費の弱さではなかろうか。消費増税とそれに続く食品を中心とする値上げが一因になっていることは間違いない」

 消費や産業の動向を調査している日本リサーチ総合研究所は3月に発表したリポートでこう分析しました。物価変動を除く実質消費水準は11年の東日本大震災の水準を下回っています。物価が上がったため、買い物を控える人が増えているのです。

 長年にわたる日銀の低金利政策で家計の利子収入も減っています。日本共産党の小池晃議員は3月10日、参院財政金融委員会で内閣府・日銀の資料をもとに、1991〜2014年、金利の低下によって家計から差し引き392兆円、1年当たり16兆円が奪われたとの試算を示し、異次元緩和の中止を求めました。

 日銀が2月に始めたマイナス金利政策で民間銀行は預金金利をさらに引き下げました。

 一方、異次元緩和は円安を加速させ、輸出大企業が史上最高の利益をあげることに貢献しました。緩和マネーは金融市場に流れ、株価をつり上げました。日本の証券市場で株取引の7割を占めているのが外国人投資家です。異次元緩和は大企業や海外投機筋にもうけを提供するばかりです。

 にもかかわらず、日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は「追加緩和の手段に限りはない」(2月3日の講演)と、2%の物価目標達成のために異次元緩和をさらに進めることを宣言しています。


 異次元緩和 日銀が2013年4月4日に導入を決定した大規模な国債購入を柱とする量的・質的金融緩和策。2%の物価上昇目標を達成し、物価が継続的に下がる「デフレ」から脱却することを目的としています。国債を年80兆円買い増すとともに、金融機関に供給するお金の量(資金供給量)を年80兆円拡大することが柱。16年2月16日から国内初となるマイナス金利政策を実施しています。


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