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2016年3月8日(火)

きょうの潮流

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 国民を戦争に駆り立てるのは簡単なことだ。「われわれは外国から攻撃されようとしている」と国民をあおり、平和主義者を「愛国心が欠けている」と非難すればいい―。このおぞましい手口、ヒトラーの側近ゲーリングが語った言葉として知られています▼高市総務相の「電波停止」発言をはじめ、安倍政権が放送への介入に熱心なのはなぜか。「政府批判が偏向報道だと思い込みがある」「昨年の安保反対デモのようなことを参院選前にやられたくないのでは」。某キャスターの指摘です▼なるほど、と思えることがあります。1933年3月、ヒトラー政権は「国民啓蒙宣伝省」を新設しました。国会放火事件をでっち上げ、共産党などを大弾圧する中での総選挙でも、宿願のナチ党単独過半数を取れなかった反省からです▼同省は公営放送局の人事に介入し、政権に批判的なメディア関係者を弾圧する一方、国民向けの「啓蒙宣伝」を開始します▼「政府宣伝のあり方が大きく変わった」(石田勇治著『ヒトラーとナチ・ドイツ』)。ヒトラーを祭り上げ、国家と社会のナチ化をはかる。不利な情報は伝えず、有利な情報だけ誇張、潤色して伝える…▼放送はどうあるべきか。1946年、新生NHKの初代会長に選ばれた高野岩三郎氏の就任あいさつは、今につながります。「太平洋戦争中のように、もっぱら国家権力に駆使され、いわゆる国家目的のために利用されることは、厳にこれを慎み、権力に屈せず、ひたすら大衆のために奉仕すること」


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