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2016年2月28日(日)

主張

子どもの医療費

無料化の拡充願う声に応えよ

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 子どもの医療費の窓口負担無料化の拡充を求める切実な声が広がっています。国民の世論と運動の力によって、全国すべての自治体が独自の努力で無料化や軽減策を行ってきていますが、国の制度としては、いまだに実現していません。それどころか国は、無料化を実施している自治体へ国の補助金を減らす「罰則」まで科しています。貧困と格差が大問題になるなか、お金の心配なく子どもが医療機関にかかれる制度の拡充が、いまほど急がれるときはありません。国はこれまでの姿勢をあらため、子どもの医療費無料化制度の拡充へ責任を果たすべきです。

就学前までは国の制度に

 子どもが医療機関を受診した場合、現在の公的医療保険の仕組みでは、かかった医療費の3割(小学校入学前は2割)を患者・家族が負担することになっています。

 子どもが病気やけがをしたとき、お金を気にしなければならないことほど、家族にとってつらいことはありません。病気にかかりやすい乳幼児がいる家庭、ぜんそくやアトピーなど通院の回数が多い病気の子どものいる家庭にとっては医療費が大きな負担です。

 いま日本は子どもの貧困率が過去最悪を更新し6人に1人の子どもが貧困状態に置かれています。経済的理由で必要な治療を受けられず健康をむしばまれている子どもの深刻な問題が各地で生まれています。命にかかわる事態です。

 子ども医療費の無料化・軽減は、父母や医療関係者らの長年にわたる運動、日本共産党議員の論戦などの力で、全国のすべての自治体が実施するところまで広がりました。しかし、自治体ごとで対象年齢が異なったり、所得制限が設けられたりしています。窓口で支払わなくてすむ自治体もあれば、いったん窓口負担し、申請して後日払い戻される自治体もあります。

 各自治体で制度をさらに充実させることも必要ですが、厳しく問われるのは国の姿勢です。国は小学校就学前までの医療費無料化を、全国一律の仕組みとして創設すべきです。国が就学前までの無料化を、所得制限なしの制度で実施すれば、それを土台にそれぞれの自治体が無料化の拡充や上乗せが可能になります。どこに住んでいても、安心して医療を受けられる子育ての仕組みをつくることは、日本の少子化の打開にとっても大きな力になることは明らかです。

 子ども医療費無料化の独自の努力をしている自治体に対して国が行っている、補助金減額という「罰則」など論外です。子どもの健康と家庭の負担軽減のために懸命に努力している自治体の足を引っ張る国の姿勢はあまりに異常です。

早期受診こそ重症化防ぐ

 “窓口無料化を広げれば医療費がかさむ”というような言い分は通用しません。医療費の窓口無料化によって子どもの早期受診・診断が進んだことで重症化を防ぎ、むしろ医療費抑制効果が出ている自治体の調査がある事実こそ直視すべきです。何の道理もない「罰則」の廃止は急務です。

 厚生労働省は、子どもの医療制度のあり方についての検討会で、3月中にも結論をまとめる予定です。子どもたちの健やかな成長を保障するため、「罰則」をただちに廃止させ、子ども医療費無料化制度の拡充へ、世論と運動をさらに強めることが急がれます。


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