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2016年2月24日(水)

衆院選挙制度調査会の答申についての意見表明 (要旨)

穀田国対委員長

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 日本共産党の穀田恵二国会対策委員長が22日、衆院選挙制度調査会の答申について、大島理森衆院議長に述べた意見(要旨)は次の通りです。

 衆院選挙制度調査会(佐々木毅座長)「答申」への日本共産党の態度―受け入れられない。反対。

 理由(1) 答申は「定数削減ありき」で問題です。しかも、理由も根拠もなく定数削減を提案するなどもってのほかです。

 1、答申は、「現行の衆議院議員の定数は、国際比較や過去の経緯などからすると多いとは言えず、これを削減する積極的な理由や理論的根拠は見出し難い」としています。

 この結論は、私が調査会の各党意見陳述で「定数削減に合理的根拠はない」「どのような合理的根拠を示そうとしているのか」と指摘したことに対して、「見出し難い」と回答したということです。

 理由も根拠も見出せないのに、「諮問されたから」と言い訳して、議員定数削減を提案するなど、無責任に言い繕った答申の名に値しないものです。

 2、調査会での議員定数問題の議論は重要です。

 「説明会」で佐々木座長は、「大幅に定数を削減することは適当であるとは言えないということが調査会の大体の意見になった」と述べ、議論の内容を紹介しました。「議席は有権者にとって選ぶ権利である、いわば(有権者が持つ)代表者を派遣する権利が、議席を削減することによって事実上弱体化する、削減される」「有為な人材を集めることによる国民の代表議会としての国会の機能強化、行政府との緊張関係の維持等々、いろいろな要素を考えなければならない」とした上で、「増税と削減の組み合わせを一度慎重に検討し直す必要があるという意見がたくさん出た」とまで報告しています。この「多数意見」こそ、踏まえるべき視点でした。

 理由(2) 主権者・国民の声を切り捨て、国会の政府監視機能を弱める「議員定数削減」をすべきではありません。

 1、議員定数のあり方は、国民の代表をどう選ぶかという、民主主義、選挙制度の根幹をなす問題です。

 日本国憲法は、国民が主権者であり、「日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動」すると前文の冒頭に明記しています。

 主権者・国民の意見を議会に反映させるツールである議員の削減は、主権者の民意反映に逆行し、国民の声を切り捨てるものです。

 2、国会の役割でもっとも大事なことは、政府を監視し暴走させないようにすることであり、議員定数が削減されれば、国会の政府監視機能が低下することは明らかです。

 安倍総理も、2013年4月9日の予算委員会で、「行政府の長である私が、議員の削減の話をするというのは、本来、私も抵抗を感じている。行政府の長としては、チェックする皆さんの数を減らすということについて、積極的にどんどん減らしたらいいと言うべきことでない」と答弁しました。

 3、いわゆる「身を切る改革」論は、民主党・野田政権が「国民の皆さんに消費税増税をお願いする以上、政治家も身を切る改革が必要だ」といって、次元が異なる問題の消費税増税を国民に押し付けることと一体でもちだし、「比例定数80削減」を喧伝(けんでん)したことを契機としたものです。議員を削減して国民の声を切り捨て、消費税増税という「痛み」を国民に押し付けようというのが「身を切る改革」の正体です。

 理由(3) 現行小選挙区制の害悪を無視し、温存を前提にしています。

 1、調査会は、「小選挙区比例代表並立制」について、まともに評価を行っていません。調査会の諮問事項の第一は、「現行制度を含めた選挙制度の評価」でしたが、調査会の議事概要を見ると、ほとんど議論されていません。

 現行制度そのものの評価・検証を行わず、答申に「運用についていくつかの問題点が指摘されていることは事実であるが、新たな制度の導入を検討せざるを得ないほど深刻な事態にあるとは考えられない」として現行制度を維持すると結論付けているのは問題です。

 2、いま国民は、民意と国会の乖離(かいり)を問題にしているのであり、正すべきは民意をゆがめる現行の小選挙区制です。得票と獲得議席の乖離を生み出し、多数の死票を生み出す制度である小選挙区制の害悪は明白です。小選挙区制のもとでは、一票の格差を根本的に是正することは不可能であり、廃止すべきです。

 3、民意を反映した選挙制度への抜本的改革を求めます。


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