2016年2月11日(木)
入院・外来でも医療費削減
診療報酬改定 患者追い出し
中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)は10日、医療サービスや薬の公定価格である診療報酬の2016年度改定内容をまとめ、塩崎恭久厚労相に答申しました。実質1・03%削減とする政府方針に基づき、入院でも外来でも在宅でも徹底的な医療費削減を推進する内容です。
入院では、“患者追い出し”を狙って重症者への絞り込みを進め、看護体制が最も手厚い「7対1」病棟(患者7人に看護師1人)は、重症患者の割合を15%以上から25%以上に引き上げます。
自宅に退院させる割合も75%以上から80%以上に引き上げ、「退院支援」加算なども新設します。
外来患者には、紹介状なしで500床以上の大病院を受診した際に初診時5千円、再診時2500円を最低額とする特別料金を徴収し、強引に受診を抑え込みます。
薬局には薬剤費を減らす役割を担わせるため、患者の服薬指導などを行う「かかりつけ薬局」への報酬を新設。特定病院の処方せんを扱うだけの大型「門前薬局」についても報酬を削減し、再編を進めます。
在宅診療でも、難病やがんなど重症者への対応を行わせるため重点評価を行います。同じ日に同じ建物内で複数患者を診療した際の減算制度については「診療の効率性が低下している」と認め、削減要件を緩和します。
「残薬削減」の名で湿布の処方枚数を1回70枚までに制限。保険給付の範囲を縮小し、患者の自己負担増を進めていく狙いです。