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2016年1月18日(月)

安倍政権16年度予算案

安心どころか負担増・給付減

入院難民、受診抑制が深刻化

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(写真)診療所の会計窓口=東京都内

 安倍政権は2016年度予算案で「安心につながる社会保障」を掲げています。その実態を医療分野でみると―。

 安倍政権は、社会保障の伸びを3年間で1・5兆円に抑える方針に基づき、毎年1兆円〜8千億円にのぼる自然増を、年5千億円を大きく下回る4412億円に抑え込みます。

 国民が受ける医療水準を定める診療報酬は、小泉内閣以来10年ぶりに1%超の削減。すでに悪化している医療機関の経営をさらに圧迫し、医師・看護師不足に拍車をかけ、「入院難民」、「医療難民」を深刻化させるのは必至です。

 診療報酬改定では、“患者追い出し”を図るため入院を重症患者にしぼり込み、早期退院を強化します。

 大病院を紹介状なしで受診すれば、初診料とは別に5千円以上の特別料金を徴収。65歳未満の現役世代は、入院給食費を1食260円から360円に値上げします。18年度から460円に上げ、月1万8千円もの負担増にします。

 1割から2割に引き上げた70〜74歳の医療費負担増は2年目に入ります。新たに70歳になる人から2割負担になり、287億円の負担がのしかかります。お金がなくて医療にかかれない「受診抑制」を広げるものです。

 新設する「患者申し出療養制度」は保険のきかない医療を拡大するものです。審査期間は現行の6カ月から6週間に、前例がある場合は2週間に短縮され、安全性・有効性の不確かな医療が出回る危険性を抱えています。

 後期高齢者医療に対する被用者保険の支援金は、加入者の所得に応じて算定する「総報酬割」の割合を3分の2まで引き上げます(17年度に全面導入)。国の負担が軽減され、健保組合と共済が負担増になります。

 国は、浮いた財源を国民健康保険に回す一方、18年度から国保の財政運営を市町村から都道府県に移し、保険料軽減の独自繰り入れをやめさせることを計画しています。

 これまでの医療改悪で、入院患者の平均在院日数は2014年に病院で33・2日となり、最長だった1990年から14・2日も短縮され、“患者追い出し”は深刻です。受診抑制によって手遅れ・重症化する患者が相次ぎ、全日本民医連の調査だけでも14年に56人が亡くなっています。小泉内閣を上回る社会保障・医療費削減路線は、国民との矛盾を深めざるをえません。

(松田大地)

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