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2016年1月11日(月)

南スーダン

移行政府へ両派合意

閣僚ポスト割り当て 和平具体化の一歩

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 昨年8月に大統領派と副大統領派の和平合意が結ばれてからも戦闘が散発的に続いてきた南スーダンで、対立する両派が7日、和平合意に基づく移行政府樹立へ閣僚ポストの任命などで合意しました。履行が遅れていた和平合意の具体化へ新たな一歩となります。

 (伊藤寿庸)


 同国では2013年12月にキール大統領支持派とマシャール副大統領支持派の兵士の間の戦闘が勃発したのをきっかけに内戦に突入。約2年間に及ぶ内戦での死者は数千人といわれます。家を失い、国内や周辺国に逃れた人は2百万人に達しています。

 ロイター通信が伝えたところでは、キール大統領の政府側が財務、国防、司法を含む16のポストを指名し、マシャール副大統領派が石油、内務を含む10のポストを指名することになります。その他の小政党には、外務など4つのポストを割り当てます。組閣の日程は未定。

 8日には、マシャール副大統領派の副報道官が「すでに指名候補リストを大統領に送った。国外にいる者は、帰国して国のために尽くしてほしい」と呼びかけました。

 昨年12月21日、国外に逃れていたマシャール副大統領派から、マシャール氏の帰国と挙国一致内閣樹立への交渉開始のための先遣隊が首都ジュバに到着。主席交渉官のタバン・デン・ガイ氏は到着直後、「われわれがジュバへ帰還したことで、戦争は終わった」とのべていました。

 キール大統領もマシャール副大統領も、どちらも「スーダン人民解放運動」(SPLM)に所属していましたが、現在、組織は分裂状態にあります。

 SPLMは首都ジュバで7、8の両日、臨時大会を開催。開会演説でキール大統領は、「SPLMを代表して、南スーダン国民のみなさんに、戦争がもたらした苦しみについて謝罪したい」とのべ、民間人の虐殺などに関与した人物の犯罪を裁くことを約束しました。またSPLMの再統一を反対派に呼び掛けました。

 当初大会への不参加を表明していたマシャール派のタバン・デン・ガイ氏およびもう一つの反対派の代表は、南アフリカのズマ大統領の名代として大会に出席していたシリル・ラマポーザ副大統領の説得を受けて、大会に出席。それぞれ演説し、「もう戦争はしない」「和平合意の履行を」などとのべました。

 他方、これまで戦闘のなかった南部でここ数週間、内戦期間中に生まれた自警団的組織と政府軍との戦闘が起き、国連の発表では数万人の住民が家を追われているといいます。

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