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2015年12月27日(日)

「共産党アレルギー」どう考える

好き嫌い越え野党協力を

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 日本共産党が提起した戦争法廃止の「国民連合政府」の提案に注目が集まる一方で、「共産党アレルギー」という言葉にぶつかります。「保守票が逃げる」「革命政党だから」というものから「なんとなく怖い」「かたくなな感じで嫌い」というものまでさまざまです。志位和夫委員長は「私たちも、『アレルギー』をなくしていくための努力をします。しかし、いまは互いに過去のいろいろな問題を乗り越え、『アレルギー』を乗り越えるべきときではないでしょうか」(日本外国特派員協会での講演=10月15日)と呼びかけています。乗り越えるべき「共産党アレルギー」とは。


革命って怖い?

根本的改革は当然民主的に切り開く

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(写真)「市民連合」結成記者会見で写真撮影に応じる各氏=20日、東京都千代田区

 「国民連合政府」の樹立を呼びかける日本共産党に対し、「革命をうたう政党でしょう」と否定的な反応を示す人もいます。

 しかし、そもそも、革命とは、支配されていた社会勢力が支配勢力から権力を奪い、国の機構の全体を変革することです。政治と社会の根本的な改革を考えれば当然のことです。近年では北アフリカ・チュニジアの民主化を「ジャスミン革命」と呼んだり、戦争法案反対の国会前行動を「市民革命」と評する人もいます。

 日本共産党が綱領で掲げている民主主義革命は、異常な対米従属と大企業・財界の横暴な支配を打ちやぶり、日本の真の独立と政治、経済、社会の民主的改革をめざすものです。

 「共産党は暴力革命を掲げている」などのデマがありますが、日本共産党は、選挙を通じ国民多数の支持を得て、議会を通じて平和的・民主的に社会発展の道を切り開く「多数者革命」を根本路線としています。暴力革命政党と混同されるいわれはありません。

 逆に安倍政権こそ、憲法を乱暴に踏みにじって戦争法を強行し、沖縄の民意を一顧だにせず新基地を押し付けようとしています。憲法学者の小林節さんは、「安倍政権による憲法破壊こそが暴力革命」と指摘しています。

保守票が逃げる?

広がりをみせる保守層との共闘

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(写真)当選の万歳をする(左から)木村春雄元宮城県農協中央会会長、鹿野文永元宮城県町村会会長、内藤たかじ氏、小沢和悦大崎市議=10月25日、宮城県大崎市

 選挙での野党間協力について「共産党と協力すると保守票が逃げる」と言う人がいます。事実は「逃げる」どころか、逆に、保守・無党派の人たちと日本共産党の共闘が全国各地で進んでいます。

 10月の宮城県議選で、日本共産党は議席を倍増し8議席に。“保守の地盤”と言われた県北西部の大崎市でも初議席を獲得しています。そこでは、これまで自民党候補を支援してきた元町長や県農協中央会元会長、元市議会議長らが「勝手連」をつくり、「戦争法廃止の国民連合政府実現に向けたきっかけをつかむ」と訴え、日本共産党の候補を応援してくれました。

 戦争法だけでなく、環太平洋連携協定(TPP)や原発再稼働、沖縄米軍新基地建設などを、憲法を踏みにじり、国民の声を聞かずに強行する安倍政権への深い怒りが背景にあります。

 戦争法廃止という国民的大義のもとで野党がしっかりとした選挙協力をすれば、安倍暴走政治に対する強い批判の受け皿として野党に期待する流れが画期的に広がるのではないでしょうか。

旧ソ連や中国と重なる?

はねのけた干渉人権問題も指摘

 「共産党は怖い」と思う人のなかには、旧ソ連や中国のイメージがあるのかもしれません。

 しかし、日本共産党は、「真に平等で自由な人間関係からなる共同社会」をめざす政党です。旧ソ連のような人間抑圧型の社会を、日本で絶対に再現させないことを確固とした立場にし、「自由と民主主義の宣言」(1976年)を発表しています。

 中国の人権問題でも、言論による体制批判には、これを禁止することなく、言論で対応するという政治体制への発展を展望することが重要だと、中国に対してたびたび率直に伝えてきました。

 こうしたことが言えるのも、日本共産党が1960年代に開始された旧ソ連や中国からの乱暴な干渉とたたかい、自主独立の立場を築いてきたからです。旧ソ連は崩壊し、中国は誤りを相手側が認めたことによって解決しました。

 尖閣諸島問題でも、日本の領有の正当性を歴史的にも明らかにするとともに、物理的、軍事的対応の自制を中国に直接求めました。

危機的な政治の状況

市民の声に応え大義に立ち共同

 日本共産党との協力について、「一緒にやれない」「何となく嫌い」と思う人もいるかもしれません。

 生活の党の小沢一郎代表は石川県での講演(11月4日)で、「共産党というと私もそうだが色眼鏡で見がちだ。ところが共産党は本気になって変わりました」と紹介。「『共産党と共闘するなんてけしからん』という人がいる。だけどみなさん、薩摩と長州が手を握ってはじめて明治維新ができたのです」「あいつが好きだ嫌いだと言っていたのでは政治になりません」と言っています。

 それくらい、いま日本の政治が置かれているのは、立憲主義、民主主義という政治の土台が壊された非常に危機的な状態なのです。「好き嫌い」を越えて野党が協力し、一日も早く安倍政権を退陣させることが必要です。

 野党と一緒に戦争法(安保法制)に反対してきた市民団体のみなさんが、野党共闘を求め、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」を立ち上げました。「戦争法を廃止させるため一致点で共闘してほしい」「野党がばらばらでは与党を利するだけ」との思いからです。こうした大義にもとづく共同は、そもそも「好き嫌い」でやるものではないはずです。

 市民の提案に、日本共産党は大歓迎です。野党共闘の実現に向け、真剣に努力していきます。


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