2015年12月26日(土)
沖縄県、国を提訴
辺野古新基地 取り消し効力の回復求め
係争委却下で踏み切る
沖縄県は25日、名護市辺野古の米軍新基地建設に伴い、翁長雄志知事による辺野古埋め立て承認取り消しの効力を国土交通相が一時停止したのは違法として、これを取り消すよう求めた訴えを那覇地裁に起こしました。
国はすでに県を相手取り、埋め立て承認取り消しを無効にする代執行訴訟を起こしています。辺野古新基地ノーの圧倒的な民意に逆らう安倍政権と、民意に後押しされる沖縄県による訴訟が並行して争われる展開です。
県はあわせて、判決が出るまでの間、国交相の執行停止決定の効力を停止するよう求める執行停止申立書を提出。国は訴訟中も辺野古での工事を継続しており、年明けにも護岸工事に入る危険があるため、これを食い止める考えです。
県は訴状で、国が行政不服審査法を用いて知事の埋め立て承認取り消しを一時停止したことについて、同法は私人の救済を目的としているものであり、国である沖縄防衛局は「私人ではないから、行審法による審査請求等の適格は認められない」と指摘。防衛局の申し出に基づく執行停止は「違法な決定」だと断定しています。
また、執行停止申し立てについて、自然環境の不可逆的な破壊や自治権の否定、さらに普天間基地の危険性がそのまま辺野古に「移転」されることを挙げ、「重大な損害を避けるために緊急の必要性がある」と訴えています。
県は当初、年明けに国を提訴する方向でしたが、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」が24日、県の審査請求を却下したことを受け、提訴に踏み切りました。