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2015年12月18日(金)

主張

与党税制大綱決定

消費税の増税10%を中止せよ

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 自民、公明の与党が2016年度税制改定についての大綱を決定しました。安倍晋三政権が来週決める予定の16年度予算案に盛り込まれます。法人税減税は前倒しし、消費税については17年4月からの10%への増税を「確実に実施する」(「大綱」)ため、食料品など一部の品目を8%に据え置く対策を決めました。そのために必要な財源は、16年度末までに「安定的な恒久財源を確保する」と丸々先送りです。一部の品目の税率据え置きは負担の軽減でもなければ、低所得者対策にもなりません。国民の目をくらませて推し進める消費税の増税は中止すべきです。

財源先送りの「選挙対策」

 消費税増税を「確実に実施する」といいながら一部の品目だけは据え置き、しかも1兆円といわれる財源は一切示さないというのは、税率据え置きなどの対策が国民の批判をかわし参院選などを乗り切るためだけの「選挙対策」であることを浮き彫りにするものです。

 一部の品目の税率を据え置くだけでは「軽減」でも何でもありません。税率据え置きで税収が減るといわれる1兆円を差し引いても消費税率の2%引き上げによる増税分4兆4000億円は国民に重くのしかかります。「軽減」どころか昨年4月の増税に次ぐ大規模な負担増で、国民の暮らしも日本経済も徹底して痛めつけられます。

 税率の据え置き分の財源に充てるという「安定的な恒久財源」が何を指すのか大綱は一切明らかにしていません。税率据え置きなどという目くらましだけで来年の参院選などを乗り切り、選挙が終わってから新たな増税策などを明らかにしようというのは国民をばかにした態度です。1兆円というのは消費税収の0・4%分にほぼ匹敵します。一部の品目の税率据え置きの代わりに新たな増税を押しつけるなどというのはとうてい許されません。

 自公の協議で浮上したといわれる、消費税を10%に引き上げたさい検討するとしていた医療や介護などの自己負担の合計額に上限を設ける「総合合算制度」の見送りや、たばこ税の増税などではとても賄えません。約4000億円と見積もられていた「総合合算制度」は、混乱しているマイナンバー制度の整備が前提で、実現のめども立っていない絵に描いた餅です。財源といえばまず国民にしわ寄せすることしか考えない、安倍政権の国民犠牲の姿勢があらわです。

 食料品など一部の品目だけ税率を据え置いても、負担がもっとも減るのは消費する金額が多い高所得者で、負担率は低所得者ほど高くなり、消費税の逆進性はむしろ拡大します。一部の品目だけの税率据え置きでは、消費税の弊害は解消しません。

消費税に頼らない財政に

 法人実効税率を20%台に引き下げる減税の前倒しを、財界は「歓迎する」(経団連)「高く評価する」(経済同友会)と大歓迎です。「『稼ぐ力』のある企業等の税負担を軽減」という税制改定が財界・大企業の利益優先なのは明らかです。

 国民には増税を押しつけ、力のある大企業の税負担は軽くする税制改定は経済のゆがみをますます拡大します。消費税増税は中止するとともに大企業減税もやめ、大企業・大資産家の応分の負担と景気拡大で歳入を確保する消費税に頼らない財政を確立すべきです。


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