2015年12月2日(水)
都が448億円負担へ
五輪 新国立と道路・公園
知事と国合意
2020年東京五輪の主会場となる新国立競技場の整備費問題で、舛添要一東京都知事は1日、都内で遠藤利明五輪担当相と会談し、都として競技場建設費や道路、公園整備費の合計448億円程度を負担することで合意しました。会談には、馳浩文部科学相も同席しました。
席上、遠藤五輪相は、新国立競技場の建設費用の1581億円を分担の対象にすると説明。その半分の791億円を国、4分の1の395億円ずつを都とサッカーくじの財源で負担するよう提案しました。また物価変動や消費税10%引き上げの際、不足が生じた経費も都が同じ割合で負担するとしており、都負担はさらに増加することになります。
あわせて遠藤五輪相は、道路上空連結デッキの37億円、東京体育館デッキ接続と現都営住宅地公園整備費用の16億円も都が負担するよう求めました。
馳文科相は、国立施設の整備費について地方自治体の負担を可能にする「法改正」の準備を進めると話しました。
舛添知事は、国の提案に「合意したい。都議会で十分財源案を議論し、都民の理解を得たい」と回答しました。
その後開かれた都議会開会日の所信表明で、舛添知事は、新国立競技場の整備費負担を了承したことを説明しました。
新国立競技場をめぐっては、国民の批判の高まりのもとで8月に新計画を策定しましたが、従来と変わらない巨大施設となっており政府と都の作業チームが費用の負担割合の検討を進めていました。
都民の理解得られない
大山党都議団幹事長が談話
日本共産党東京都議団の大山とも子幹事長は1日、舛添要一都知事が新国立競技場整備費と関連経費を都が負担することで国と合意したことを批判する談話を発表しました。要旨を紹介します。
都が負担する新国立競技場整備費は、4分の1の395億円であり、連結デッキ・公園整備費などの周辺整備費を加えると約450億円と巨額になる。そのうえ、物価や賃金上昇などによる整備費の増大が予想され、消費税増税も加われば、都の負担はさらに増えることになる。
国立施設の整備は国の責任であり、都が2020年五輪のために整備する競技場などの負担に加え、新国立競技場整備費まで負担することは許されない。
舛添知事は、新国立競技場は国の責任で整備することが原則であり、都の負担については都民の納得が必要との見解を都民と都議会に示してきた。今回の表明は、政府、自民党の圧力の下でこうした見解を覆したものだ。
計画されている新国立競技場は1550億円以上をかけ、高さ70メートル、8万席もの観客席を収容できる巨大施設であり、都民の理解が得られているとはいえない。
都は五輪競技場施設整備に現時点で約2450億円もの税金投入を計画している。そのうえ国立競技場の整備にまで都民の血税を投入することは、都民施策を圧迫するものであり、格差と貧困、都民生活の困難が広がるもとで、都民の批判は避けられない。
オリンピック憲章は、人間の尊厳の保持を重視し、アジェンダ2020では開催都市に競技場整備費の抑制を求めている。日本共産党都議団は、この理念に立って都民のみなさんと力を合わせ、新国立競技場への都負担の中止、都民のくらしと調和したオリンピック・パラリンピックを求めていく。