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2015年11月15日(日)

主張

パリ無差別テロ

卑劣な犯罪を厳しく糾弾する

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 週末金曜日夜の人出でにぎわうフランスのパリ市内で無差別テロが発生、コンサートが開かれていた中心部の劇場とその周辺や、サッカーの試合が行われていた北部の競技場付近などで100人を超す多数の死者が出ました。罪のない市民を無差別で殺害した大量テロを厳しく糾弾し、犠牲者の家族や関係者に心からの哀悼を表します。一般市民の生命を奪う無差別テロは、国際社会にとっての重大問題であり、いかなる口実や背景があろうとも許されません。

罪のない市民襲った蛮行

 今回の多発テロは少なくともパリ市内の6カ所で発生したといわれます。中心部のバタクラン劇場では銃撃しながら突入した犯人が多数を殺害した後、数十人を人質にとって立てこもり、警察隊が突入して犯人を殺害、人質を解放しました。犠牲者は100人以上に上るといわれます。劇場近くのレストランなどでも襲撃があったと伝えられています。

 市北部の競技場ではドイツ代表とフランス代表のサッカーの親善試合が行われていたさなかに複数の爆発があったといわれ、自爆テロだった可能性もあります。試合を観戦していたオランド・フランス大統領も避難しました。

 週末の夜の劇場や競技場に集っていた人たちが突然襲撃され、殺害される、なんのいわれもありません。罪のない人々を襲撃し殺害するのは、許すことができない蛮行です。国連の潘基文(パン ギムン)事務総長も直ちに、「卑劣な攻撃」と非難しました。オバマ・アメリカ大統領も「人類全体とわれわれが共有する普遍的価値への攻撃だ」と批判しました。事件を徹底的に追及し、テロリストを追いつめるとともに、無法なテロを世界から根絶するよう、法と正義にもとづき国際社会が力を尽くすことが急務です。

 フランスでは今年1月にも、パリ市内の週刊紙シャルリエブドの編集部が襲撃され、12人が死亡する事件がありました。同紙が掲載したイスラム教預言者の風刺画に反発したものですが、表現が気にくわないといって暴力で対抗するのは言論・表現の自由に対する卑劣なテロ行為です。どんな口実であれ、テロは許されません。

 容疑者の1人がアラビア語で「神は偉大だ」と叫んだという証言もあり、フランスがアメリカなどと行っているシリアでの武装勢力への空爆との関係を指摘する声もあります。オランド大統領は過激組織ISによる犯行との見方を示しました。しかしフランスの軍事行動を批判することで、無差別テロは正当化できません。たとえ空爆への批判が動機でもコンサートやサッカー観戦に集った人々に罪はありません。無差別テロを認めることはできません。

国際社会が一致して対応を

 2001年のアメリカ同時テロのあと、テロリストをかくまったとしてアメリカがアフガニスタンを攻撃したり、大量破壊兵器の疑惑をでっちあげてイラクに侵略、政権を崩壊させたりして以降、世界では戦争とテロの悪循環が続いています。しかし、戦争でテロがなくせなかったのは明らかであり、テロと戦争の悪循環をやめることこそ国際社会の急務です。

 「有志連合」による対応に傾斜するのではなく、国際社会が一致してテロ根絶に力を合わすことこそが重要です。


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