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2015年10月28日(水)

きょうの潮流

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 政府がいま、廃止しようとしている国立大学の人文社会科学系学部。「人文」は、ルネサンス期の人文主義(ヒューマニズム)からきています▼「知は力なり」の格言で知られるイギリスの哲学者、フランシス・ベーコンも人文主義者の一人です。経験や合理的な考え方を説きました。権力の横暴を許さないという「立憲主義」の原理も、近現代社会の経験から生まれたと言っていいでしょう▼立憲主義を破壊する戦争法。これに反対する学者の会は149の大学でつくられ、アピールに賛同する学者・研究者は1万4千人を超えました。こんなに知の良識が声を上げ、行動しているのは日本の歴史上で初めてです▼一方、自民党による学者の利用は意図的です。賛同すれば「専門家」と持ち上げ、批判を受けると「素人だ」と切り捨てる―日本学術会議前会長の広渡清吾氏は、客観性や実証性を無視する「反知性主義の内閣」と痛烈です▼17国立大学の人文系大学学部長は26日に、人文社会科学系などの廃止方針に強く抗議し、文部科学相に共同声明を提出しました。「教育研究における人文社会科学の軽視は、人的基盤を根底からゆるがしかねない」と指摘しています▼ベーコンは「学問について」の随筆で述べています。「一般的な忠告とか事務の工夫と処理は、学問のある人たちから出たものが一番よい」。戦争法でも人文系廃止問題でも、学者の「忠告」に耳を傾けようとしない「反知性」。安倍内閣の存在がもはや許されないゆえんです。


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