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2015年10月28日(水)

主張

辺野古新基地問題

どこまで不当な強権振るうか

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 沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる名護市辺野古への新基地建設問題で、翁長雄志知事による埋め立て承認取り消しについて、石井啓一国交相がその効力を止める執行停止を決定しました。同時に、安倍晋三内閣は閣議で、国が知事に代わって埋め立てを承認する「代執行」の手続きに入ることも了解しました。直近の世論調査(沖縄タイムス20日付)でも約8割の県民が知事の埋め立て承認取り消しを「支持」していることに示される「新基地ノー」の圧倒的民意に挑戦し、新基地建設をなりふり構わず強権的に推進しようする言語道断の決定です。

「自作自演」の国交相決定

 翁長知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認の取り消し決定(13日)は、昨年11月の知事選で掲げた「辺野古に新基地は造らせない」との公約実現に向けた歴史的英断です。これに対し沖縄防衛局は、行政不服審査法を悪用し、▽知事の決定を取り消す審査請求▽審査請求の結論が出るまで知事の決定を執行停止する申し立て―を、公有水面埋立法を所管する国交相に行っていました(14日)。今回の国交相の決定は、執行停止の申し立てに対するものです。

 行政不服審査法は、違法・不当な公権力の行使から「国民の権利利益の救済を図る」のが目的です。辺野古の新基地建設を「唯一の解決策」とする安倍内閣の一員である防衛相の指揮命令下で埋め立て工事を進める沖縄防衛局が一般の“私人”をかたり、同じ内閣の一員である国交相が審査庁となって工事継続を認めるなどというのは、同法を悪用した極めて不公平な措置です。国交相への沖縄県の意見書(23日)が「自作自演」「出来レース」と糾弾したのは当然です。

 同時に、国交相は閣議了解を受け、地方自治法に基づき、翁長知事に対し取り消しの決定を「是正」するよう勧告し、知事が応じない場合、埋め立て承認を「代執行」するため法廷闘争も視野に入れることも決めました。かつてない異常な事態です。沖縄の民意への敵意をむき出しに地方自治を否定するもので、決して許されません。

 国交相の決定や閣議了解は、翁長知事の埋め立て承認取り消しによって新基地建設ができなくなれば、普天間基地の危険性が継続するとか、米国との信頼関係に悪影響を及ぼして外交・防衛上損害が生じるなどと主張しています。

 しかし、辺野古への新基地建設は、普天間基地の危険性の“たらい回し”であり、「豊かで貴重な自然環境と良好な生活環境を破壊」し、「沖縄の過重な基地負担をさらに将来にわたって固定化する」(県の意見書)ことに他なりません。

沖縄のたたかいに連帯を

 安倍政権は日米同盟の重要性として在日米軍の「抑止力」を繰り返し強調します。しかし、辺野古の新基地を拠点にすることになる米海兵隊は海外への侵攻作戦が任務であり、「日本防衛」とは無縁の“殴りこみ”部隊です。安倍政権のいう「抑止力」は「具体性・実証性のないマジック・ワード」(県の意見書)にすぎません。

 新基地建設のため安倍政権は、名護市を通さず辺野古周辺3区に振興予算を直接投入する方針まで示し、反対世論の卑劣な切り崩しを図っています。今こそ新基地阻止の沖縄の県民ぐるみのたたかいに全国が連帯を強める時です。


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