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2015年10月17日(土)

主張

川内原発2号機

無用な再稼働ドミノをやめよ

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 8月に運転を再開した鹿児島県の九州電力川(せん)内(だい)原発1号機に続いて、同2号機が起動して臨界に達し、発電と送電の準備を進めています。21日ごろには発電を開始する予定で、東京電力福島第1原発の事故後全国の原発が次々停止し、2年近くにわたって「原発稼働ゼロ」になっていた状態から、2基の原発が再稼働することになります。川内原発の1、2号機が再稼働するといっても、福島原発のような重大事故を起こさない保証もなく、事故の場合の避難体制も整っていません。原発を再稼働させなくても電力は賄えているのに、無用な再稼働は危険です。

この冬も電力は賄える

 九州電力は2号機を再稼働する直前、経済産業省にこの冬の電力の需給見通しを提出しました。2号機を再稼働しなければ電力が賄えなくなるというのではありません。1号機1基だけでも、他の電力会社からの応援や融通なしで、安定供給の目安となる、需要に比べた供給の予備率3%を確保できる見通しです。電力は賄えており、再稼働の根拠はありません。

 九州電力が8月に1号機を再稼働させた時も夏の電力は賄える見込みとされており、実際1号機の本格運転は9月になってからだったのに不足は起きませんでした。

 電力は賄えているのになぜ原発を再稼働させるのか。それは原発の運転を再開すれば、火力発電所の燃料になる原油や石炭などの購入や太陽光発電の買い入れなどを減らすことができ、電力会社のもうけが増えるためです。実際、九州電力は1号機の再稼働で9月末の中間決算は5年ぶりの黒字になり、2号機も再稼働すれば来年3月期決算も黒字になると報道されています。事故を防ぐための費用や、万一事故が起きた場合の莫(ばく)大(だい)な費用、住民の避難や賠償のための費用は全く念頭にありません。目先の経営最優先で、住民の安全が眼中にないのは明らかです。

 九州電力の原発再稼働は、安倍晋三政権が原子力規制委員会によって新しい規制基準に適合すると判断された原発は再稼働させるとしているのを受けたものです。九州電力だけでなく、四国電力伊方原発3号機や関西電力高浜原発3、4号機などが再稼働を狙っています。しかし、規制委員会の審査は、事故が起きないと、安全性を認めたものではありません。反対に重大事故は起こりうるとの前提で、さしあたりの対策を求めたものです。川内原発でも火山噴火への対策がないなど内容は不十分です。

 しかも、事故は起こりうるといいながら、肝心の住民の避難対策は規制委の審査の対象外です。川内原発でも避難できない住民が出るといわれています。安全でもなく、避難対策もない原発再稼働は文字通り無謀の極みです。

再稼働は撤回しゼロこそ

 全国の原発が次々停止するきっかけになった東京電力福島第1原発の大事故はいまだに収束の見通しが立たず、住み慣れた故郷に帰れない被災者は10万人を超します。再稼働を急ぐべきではないという世論は圧倒的多数です。

 安全も保証せず必要でもない原発再稼働は被災者の声も圧倒的な国民世論をも踏みにじるものです。川内原発などの再稼働は撤回し、停止中の原発はとめたまま「原発ゼロ」に進むことこそ、被災者と国民にこたえる道です。


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