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2015年10月14日(水)

主張

「辺野古」取り消し

米軍新基地は絶対に造れない

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 沖縄県の翁長雄志知事が、米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる新基地建設(名護市辺野古)に必要な埋め立て承認を正式に取り消しました。圧倒的多数の県民の願いに応え、翁長知事が掲げてきた「あらゆる手法を駆使して辺野古に新基地は造らせない」との公約実現に向けた歴史的な決定です。翁長知事が政府に対する埋め立て承認取り消しの通知書で示した通り、どんな点からも辺野古の新基地建設には道理がありません。政府が取るべき道は、知事の決定を失効させようとする不当な「対抗措置」などではなく、新基地建設をきっぱり断念することです。

県民の願いに応えた決定

 辺野古の新基地建設に必要な埋め立て承認は、仲井真弘多前知事が一昨年末に、普天間基地の「県外移設」という自らの選挙公約を覆し、県民を裏切って強行したものでした。これに対し、翁長氏は昨年11月の知事選で新基地建設阻止の公約を掲げ、仲井真氏に10万票もの大差で圧勝しました。翁長知事は、仲井真前知事の埋め立て承認を検証する第三者委員会を設置し、今年7月に「法律的瑕疵(かし)がある」とする報告を受けて、承認取り消しの判断を下しました。

 今回の翁長知事の決定は、選挙での県民の負託に応え、仲井真前知事による埋め立て承認について、根拠法である公有水面埋立法の規定に照らして詳細に検討した上で行われた正当な行為です。

 菅義偉官房長官は知事の決定について「沖縄や政府の関係者が重ねてきた普天間飛行場の危険性除去に向けた努力を無にするものだ」などとうそぶきました。沖縄の民意を敵視する極めて傲慢(ごうまん)な態度に他なりません。

 翁長知事は承認取り消しの通知書で▽新基地建設の理由とされる「沖縄の地理的優位性」や「海兵隊の一体的運用の必要性」に関し、具体的な根拠が何も示されていない▽辺野古沿岸部は自然環境の点で極めて貴重な価値があり、埋め立てによってその回復はほぼ不可能になる▽新基地建設によって航空機騒音が増大し、住民の生活や健康に大きな被害を与える可能性がある▽在日米軍専用基地面積の約74%を抱える沖縄の過重負担の固定化につながる―ことなどを指摘しました。承認取り消しにこそ大義があることは明らかです。

 政府は、翁長知事の決定に対し、公有水面埋立法を所管する国土交通相に行政不服審査法に基づく審査を請求するとともに、裁決が出るまで承認取り消しの執行停止を申し立てる方針です。しかし、行政不服審査法は、違法・不当な公権力の行使から国民の権利や利益を救済するのが目的です。沖縄県民の権利や生活を脅かす新基地建設のため、同法を悪用することは言語道断です。

たたかいが建設阻止の鍵

 翁長知事は記者会見で、今後の政府との法廷闘争の難しさに触れつつ、新基地建設反対の世論と運動、地元名護市や県の決意を挙げ、工事が再開されたとしても「新辺野古基地は造れない」との確信を語りました。最近公表された米議会調査局の報告書も、新基地建設問題は「新たな局面」に入り、「日米両政府が強圧的な行動を取れば一層激しい反基地運動を生む」と警告しています。新基地建設阻止の最大の保証は、たたかいと世論を一層大きく広げることです。


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