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2015年10月6日(火)

きょうの潮流

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 本紙の題字がカタカナの「アカハタ」だった1965年4月29日。1枚の写真が社会面トップに大きく掲載されました▼沖縄の道路に突っ立っている米兵たちの足元で横たわる6歳の幼女。昼に家に帰る途中、よそ見しながらスピードを出して走ってきた米軍のトラックにひき殺されました。その無残な姿をとらえた写真は、復帰前の沖縄の現実を衝撃とともに伝えました▼撮ったのは報道写真家の嬉野(うれしの)京子さん。当時、米軍占領下の沖縄の実情を知ろうと渡航。祖国復帰行進に参加して島内を歩き、撮影ご法度のなか、米兵から隠れながらシャッターを切りました。フィルムは行進団から東京に運ばれ、本土へ、世界へ、発信されました▼この夏、ようやく犠牲になった幼女のお墓を見つけ、お参りしたという嬉野さん。これまで遺体を撮ってしまったことにうしろめたさがあった、少しだけ気持ちが楽になった、と最近の朝日新聞のインタビューに答えています▼25歳で初めて沖縄の地を踏んでから半世紀。レンズを通して戦争と隣り合わせの現状に向き合ってきた写真家は、取材の軌跡を『戦場が見える島・沖縄』(新日本出版社)にまとめました。彼女が見つめてきたものは、虐げられてきた人びとの生活とともに、生きるために立ち上がった県民の叫びでした▼復帰前から現在の新基地反対運動につながる「島ぐるみ」闘争。嬉野さんは実感しています。強大な権力に立ち向かってきた沖縄のこのうねりを止めることはできないだろう、と。


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