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2015年10月3日(土)

ロシア空爆 IS以外に

シリア反体制派 「市民多数が死亡」

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 【カイロ=松本眞志】ロシア軍は1日、シリア領内で前日に続き空爆を実施しました。この日はIS以外の過激派の拠点を空爆し、標的に米国支援の反政府勢力などIS以外の組織が含まれていることがいっそう明白になっています。


「悲劇を増大」アラブ側メディア

 ロシア側は当初はISを標的とすると説明していましたが、この日はシリア北西部イドリブ県ジスルシュグルで、ISと敵対する国際テロ組織アルカイダ系のヌスラ戦線を含む「征服軍」の拠点を攻撃。中部ハマの武器庫にも攻撃を加えました。連日の空爆では、死傷者にはISの戦闘員はほとんどおらず、現地からの証言では一般市民の多くが犠牲になったとしています。

 現地からの報道によると、中部ホムスで活動する反体制活動家は、「女性や子どもを含む一般市民多数が死亡した」と空爆を非難。同活動家は、ロシア軍が空爆したホムス県内の各地について、「遅くとも4カ月前に、『イスラム国』(IS)が撃退された場所だ」と語っています。ロイター通信によると、南部で活動するバシャル・アルズーリ氏は、ロシア軍の介入が長期に及ぶシリアでの紛争を解決するどころか、もう一つの「アフガニスタン」となる危険を冒していると非難しました。

 IS掃討を口実としたシリア空爆は、ロシアが中東で初めて大規模に武力を行使した事件としてアラブ各国メディアは大きくとりあげています。

 レバノン紙アンナハルは、空爆の目的が、「ロシアがシリアにある拠点を失うことを恐れたのと同時に、かつてアフガニスタンからソ連軍を追い出した米国への仕返しだ」と指摘。シリア情勢がアラブ世界における人道上の「破局」に陥りつつあるなかで、「ロシアの軍事干渉はこの悲劇を増大させる」と報じました。

 ヨルダン紙アッドストールは、空爆の対象がISではなく、反アサド政権勢力の拠点であると主張。「シリア情勢は血なまぐさい新たな局面に入った」と述べました。中東衛星テレビ・アルジャジーラは、ロシアのプーチン政権が中東で唯一の拠点である「アサド政権」への支援を優先課題と考えていたと説明。このなかで、米国デンバー大学のナデル・ハシェミ教授は、「世界中が懸念するISこそは、プーチン氏が干渉を正当化するために使った口実だった」と語っています。


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