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2015年10月1日(木)

主張

安倍首相の訪米

民意無視の国際約束許されぬ

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 安倍晋三首相が、国連総会出席のため訪問していた米国で、早速、戦争法の成立を米副大統領らに報告し、日米同盟の強化と自衛隊の海外派兵拡大へ決意を表明しました。成立強行後も反対が多数の国民世論に逆らい、戦争法の具体化を国際約束したものとして極めて重大です。安倍政権は同法の公布(30日)を受け、自衛隊による米軍部隊の防護やPKO(国連平和維持活動)での任務拡大のため、武器使用基準の大幅緩和などの作業を加速しようとしています。戦争法を廃止する共同のたたかいを大きく発展させ、同法の具体化・発動を許さないことが必要です。

日本の平和を危険にする

 安倍首相はバイデン米副大統領との会談で、戦争法の成立で「日本の平和はより確かなものになる」などと述べ、「今後も地域や国際社会の平和と安定のために日米で一層緊密に連携して取り組んでいきたい」と強調しました。副大統領は「首相が日米同盟強化に向けた努力を続けていることに感謝する」と持ち上げました。

 首相と同じく訪米していた岸田文雄外相も、カーター米国防長官との会談で、戦争法は、新たな「日米軍事協力の指針(ガイドライン)」と合わせ、「日米同盟の抑止力・対処力の強化に資するもの」だとし、「幅広い分野で協力を具体化したい」と表明しました。

 日米両政府が4月に合意した新ガイドラインは、米国に対する武力攻撃への共同対処を明記するとともに、地球規模で自衛隊が米軍を軍事支援することをうたったものです。戦争法は、新ガイドラインの実効性を確保するため、集団的自衛権の行使をはじめ、「戦闘地域」での米軍に対する兵(へい)站(たん)、米軍部隊防護のための武器使用などを盛り込み、自衛隊の海外での武力行使に道を開きました。

 憲法9条を踏みにじり、地球規模での米軍の軍事行動に自衛隊を全面的に組み込む戦争法によって「日本の平和はより確かなものになる」どころか、一層危険にさらされることになります。

 安倍首相は国連総会での演説でも、日本が「PKOにもっと幅広く貢献することができるよう、最近、法制度を整えた」と戦争法の成立を自慢しました。PKOに関する首脳級会合(PKOサミット)では、戦争法の一部として「国際平和協力法を改正し、従事可能な業務が広がり、さらなる貢献が可能となった」と述べ、「今後、新たな法制の下、国連PKOへの貢献をさらに拡充していく」と前のめり姿勢を鮮明にしました。

 戦争法は、PKOなど海外活動での自衛隊の任務に、住民への危害を防止する治安活動や「駆け付け警護」などを加え、そのための「武器の使用」も認めました。今回のPKOサミットの宣言は、「文民の保護」を強調し、そのための「武力の行使」に言及しています。治安活動などを行う自衛隊の「武器の使用」が、憲法9条に違反する「武力の行使」に他ならないことを示すものです。

法施行許さず廃止実現を

 戦争法は公布を受け、6カ月以内に施行されることになります。中谷元・防衛相は既に、防衛省・自衛隊の幹部を集め、施行に向けた準備を指示しています。

 戦争法を廃止し、立憲主義を取り戻す国民的運動を広げることが急がれます。


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