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2015年9月19日(土)

山崎議長の不信任決議案に対する

井上議員の賛成討論

参院本会議

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写真

(写真)賛成討論する井上哲士議員=18日、参院本会議

 昨日、与党によって行われた強行採決に対し、満身の怒りを込めて糾弾します。この採決に正当性があるでしょうか。何が採決されたのかも、誰が賛成し反対したのかも不明です。

強行採決を追認

 議事録になんと書いてあるか。委員長着席。「発言するもの多く、議場騒然、聴取不能」、委員長退席。これだけです。委員長の発言の一言も残っていません。与党は、5回の採決を行ったといいますが、どこにそんなものが存在するというのか。この採決なるものにひとかけらの正当性もありません。にもかかわらず、議運委員長が採決のためとして職権で本会議をセットしました。議長がその職責を果たすためにはこのような本会議を開かず委員会に差し戻すべきです。ところが、与党の乱暴極まる強行採決を追認し開会した責任は重大です。

 国会周辺には連日、多くの市民が「国民の声を聞け」と駆けつけ、全国で草の根の運動が大きく広がっています。今も、この国会は「暴挙を許さない」と駆けつけた市民で包囲されています。大きな関心のある法案だから、中央公聴会にはこの10年間では最高の95人もの公募がありました。

 野党は公募した皆さんからシールズの奥田愛基さんを中央公聴会で、前日本学術会議会長の広渡清吾さんと弁護士の水上貴央さんを地方公聴会で公述人として推薦し、この国民の声を国会に生かす努力をしました。与党は推薦しようにも賛成の公募がただの1人もいなかったのです。

 地方公聴会で水上公述人は「公聴会が採決のための単なるセレモニーにすぎないならば、私はあえて申し上げる意見を持ち合わせてない」と述べ「公聴会を開いたかいがあったというだけの十分かつ、慎重な審議をお願いしたい」と述べられました。公述人の意見を受けしっかり質疑を行うことは、与野党を問わず、われわれ国会議員の責務です。だから野党理事は、理事会において地方公聴会直後の締めくくり総括質疑ではなくさらに十分な質疑が必要だと求めました。

質問の権利奪う

 それに対し、公述人の意見については締めくくり総括で質問したらよいとしたのが、自民党、公明党の与党の理事でありました。ところが、昨日、自ら提案した質疑をまったく行わずに打ち切り、われわれの質問の権利を奪ったのが与党です。その結果、中央・地方公聴会を行った後に、一切の国会質疑は行われませんでした。公述人の皆さんの意見陳述は、なんら国会審議に生かされることはありませんでした。

 それだけではありません。地方公聴会の派遣報告を自民党の理事が質疑の冒頭で読み上げるとしてその案文も理事会に提示されていました。ところが、強行採決のため、この派遣報告は読み上げられませんでした。地方公聴会をやりながら、派遣報告を委員会で行わなかった例は過去にただの一度もありません。

 2度の公聴会を受けた質疑も派遣報告も行わなかった。参議院の歴史の中で、これほどまでに公聴会をないがしろにした例はありません。これほどまでに、公述人を愚ろうした例はありません。これほどまでに、国民の声を無視した例はありません。参議院の歴史にこのような汚点を残す暴挙を行った与党の議員には、今後「国民の声を聞く」などという言葉を使う資格もありません。

 中央公聴会、地方公聴会には議長は重大な責任を負っています。公聴会は議運委員会で議決され、公述人には山崎議長の名による出席依頼の文書が届けられています。参院議長の名で出席を依頼された公述人の皆さんは、まさか自分たちがこのようなひどい扱いがされるなどとは思いもよらなかったでしょう。

 今回の暴挙は参院議長と参議院そのものへの国民の信頼を著しく傷つけました。公聴会と国民の声をないがしろにして強行採決された法案について委員会に差し戻すのが、自らの名で公述人に対する出席依頼を出した議長がやるべきことです。にもかかわらず、与党の横暴を追認して本会議を開いた山崎議長の責任は重大であります。


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