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2015年9月16日(水)

公聴会直後の採決は言語道断

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 鴻池祥肇参院安保法制特別委員長は、16日に横浜市内で開かれる戦争法案の地方公聴会後に、同日、戦争法案の締めくくり総括質疑を行う日程を職権で決めました。締めくくり総括質疑は、質疑を終局させるもので採決と一体です。地方公聴会後に一気に強行採決するか、もしくは遅くとも17日の採決を目指すもので極めて重大です。

国会ルール違反

 そもそも公聴会直後に採決日程を組むやり方は、国会のルール違反です。公聴会開催は、国民から広く意見を聞いて審議を充実させるのが国会法の趣旨です。

 国会関係者の一人は、「公聴会直後に採決なら、国民の意見を聞く必要はないと言っているのも同然だ。公聴会を採決の前提条件とし、クリアすれば採決というのはあしき慣行だ」と指摘します。

 15日に開かれた中央公聴会では、元最高裁判事、憲法学者、国際法学者、そしてSEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)のメンバーが戦争法案への強い反対意見を述べました。この公聴会には過去10年間で最多の95人が応募し、全員が戦争法案「反対」の立場でした。直近の世論調査でも法案「反対」が多数。「政府は十分説明していない」は実に8割を超えます。

 このもとで、公聴会直後の採決は、まさに国民の声を踏みにじるものです。

 戦争法案をめぐっては元最高裁長官を含む全法曹が「違憲」と断じ、政府・与党も反論不能に追い込まれています。「合憲か違憲か」の論点は、もはや決着済みです。しかも戦争法案は意図的な憲法9条破壊であり、その強行はクーデターです。違憲の法律をつくる権限は国会になく、全ての国会議員には、厳粛な憲法尊重擁護義務が課せられています(憲法98、99条)。公聴会でも違憲の指摘が相次ぎました。その直後に、採決を強行することは絶対に許されません。

 採決が許されないもう一つの重大な理由は、自衛隊の河野克俊統合幕僚長の米軍幹部との会談録をまとめた防衛省の内部文書の問題です。

 会談録では、昨年12月、第3次安倍政権が発足する前の段階で、河野氏が訪米し戦争法案は「来年夏までには終了する」と米軍側に約束。「集団的自衛権の行使が可能となった場合は米軍と自衛隊の協力関係はより深化する」などと述べ、自衛隊中枢が国会審議や国民世論を無視して暴走する実態を露骨に示しています。

統幕長の招致を

 自衛隊中枢の暴走の実態と責任の解明は、戦争法案審議の大前提です。河野統幕長の国会招致は野党の共同要求になっているうえ、国民の代表で構成される国会の役割からも、与野党を超えて解明すべき問題なのです。問題にふたをしたままの採決など絶対に許されません。

 (中祖寅一)


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