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2015年9月13日(日)

中国・天津爆発から1カ月

いまだ原因未解明 住民の不満高まる

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 160人以上の犠牲者を出した中国・天津での爆発事故から12日で1カ月がたちました。事故現場の整理が進む一方、事故原因についてはいまだに発表されていません。環境汚染の恐れもあり、住民の不満と不安が強まっています。(北京=小林拓也)

 11日までに確認された死者数は165人。8人が行方不明のままです。

 爆発の原因はいまだに発表されていません。インターネット上では「爆発の原因は? 責任は? 9月3日の閲兵式で隠されてしまったのか」など不満の声が噴出。当時、毒性の強いシアン化ナトリウムなど危険化学物質が大量に爆発したため、水質や土壌の汚染への不安も消えていません。

相次ぐ同様事故

 相次ぐ爆発事故で、安全性への不安が広がっています。8月22日夜、山東省淄博市の化学工場で爆発が起き1人が死亡し、同31日にも山東省東営市で化学工場が爆発し13人が死亡。9月7日には浙江省麗水市の化学工場で爆発が発生しました。

 天津の爆発では100人以上の消防隊員が犠牲になりました。当局は、犠牲となった消防士の家族に230万元(約4360万円)の弔慰金を送ることを決めました。

跡地利用に疑問

 また天津市政府は、爆発の跡地を「海港生態(エコ)公園」にする計画を発表。計画では24ヘクタールの敷地に、「犠牲になった消防隊員を称賛する彫刻などを設置し、歴史の教訓を明記する」としています。来年6月に完成予定ですが、あまりにも早い計画発表に「事故の痕跡を消したいのではないか」と疑問の声が出ています。

 中国誌『中国経済週刊』によると、爆発での直接的な経済損失は700億元(約1兆3280億円)以上に上るといいます。国家発展改革委員会学術委員会の張燕生事務局長は「天津は中国北方地域の国際運輸の中心であり、間接的損失も巨大だ。今後の外国企業による天津への投資にも影響が出るだろう」と同誌に語りました。

 爆発で損壊した住宅は1万7000戸以上とされています。天津市政府は、被害を受けた住宅の所有者が買い取りを希望する場合、住宅価格の1・3倍で買い取る方針。住宅の所有者が修繕して住み続ける場合は、住宅価格の16%を賠償金として支払います。

 ただ、住民からは「十分な金額にはならない」と不満の声が出ているといいます。


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