「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2015年8月18日(火)

主張

GDP再び後退に

経済の土台壊した責任は重い

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 内閣府が発表した今年4〜6月期の国内総生産(GDP)の速報値によれば、前期に比べた伸び率は物価変動を除いた実質で0・4%減、このまま1年間続くとした年率換算では1・6%減で、日本経済が再びマイナス成長に転落したことが明らかになりました。

 日本経済は昨年4月、安倍晋三政権が消費税の税率を8%に引き上げて以降、消費が急速に落ち込み、実質GDPは昨年4〜6月期、7〜9月期とマイナス成長を続けました。今回3四半期ぶりのマイナス成長となったのは、日本経済が受けた打撃の深刻さを、改めて浮き彫りにするものです。

賃金伸び鈍く消費低迷

 発表された4〜6月期のGDPの内訳を見ても、個人消費(民間最終消費支出)が前期比0・8%減、民間企業設備投資は0・1%のマイナスとなるなど、昨年の消費税増税時に消費や投資が大きく落ち込んだあと、依然として低迷を脱しきれていない動きとなっています。経済を支えてきた輸出や輸入も、4〜6月期は大幅マイナスになりました。

 GDPの約6割を占める個人消費の低迷が、マイナス成長の大きな原因です。個人消費は、消費税の増税だけでなく、賃金が増えず、物価が上がり、実質所得が伸びていないことからも足を引っ張られています。注目されるのは、先週末内閣府が発表した「経済財政白書」も、消費税増税による消費の後退に加え、名目賃金が伸び悩む一方、消費者物価が上昇したことで雇用者所得がマイナスになり、消費が抑えられていることを、回復の遅れの原因だと指摘したことです。

 とくに前回消費税の税率を3%から5%に引き上げた1997年に比べても今回は賃金の伸びが鈍かったという分析は重要です。97年度は1人当たりの賃金も増え働き手も増えていたのに、今回は働き手全体で見て賃金の伸びが鈍く、物価の上昇も重なったため、実質所得が低下し、消費が抑えられたというのです。国民の所得が伸び悩むもとで消費税を増税すれば、それこそ日本経済の土台そのものが壊滅的な打撃を受けることを「白書」もやっと分かったのか。

 安倍政権は国民の反対を押し切って消費税増税を強行するさい、増税による消費の落ち込みは「一時的」だとする一方、賃上げなどを大企業に要請し、「経済の好循環」を実現するから消費の落ち込みは取り戻せるといいました。いまやまったくでたらめだったことを政府の「白書」も認めざるをえません。消費税増税を強行し、日本経済を土台から破壊している安倍政権の責任が改めて問われます。

安倍政権退場させてこそ

 安倍政権は、消費税増税の間違いがこれほど明らかになってもなお、再来年(2017年)4月からの消費税再増税の計画は撤回するとはいいません。大企業を大もうけさせるだけで、労働者の賃上げなどに還元しない、「アベノミクス」は加速させる構えです。

 消費税増税から1年以上たっても消費や投資が回復せず、マイナス成長が繰り返される日本経済を土台から立て直すには、政治を根本から切り替えることがいよいよ不可欠になっています。安倍政権を国民の力で包囲し、安倍政権退場を求めて追及を強めていくことが求められます。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって